第五十一話 ダンマス、「ユータの世界へ行ってみたいなー♪」


ボクらは安心して翌朝も旅立った。

昨日転移した地点が目視できるところまで数時間飛行した。

やっぱり何もなかったし、獣や魔獣しかいなかった。知的魔獣のコロニーもなかったとドーラ。


そこから昨日の川の辺り上空まで転移。

そこから飛行を始めた。


数時間跳ぶと

「お昼にしよーぜ!」ドーラ。

僕らは小さい山脈の頂付近で食事。

うちの裏の山の半分も無い高さ。でも頂上付近は高い木が無く、膝ほどの灌木が少しあるだけ。


「皆が転移できるようになったら、ここも物見にちょうどいいな!何より景色がいい!」

「でも、雷落ちそう、、」

そう、ボクは雷とか怖い。


「あー、そうだなー、高いところは落ちやすいよなー、常時バリア張れるほどの魔力持っている者が必要だな、、つーか、ここまで転移するんだから、そのくらいできる者だろ、ここに常駐するとしたら。」

「まーそーだねー。で、雷も怖くない子だね」

そーかな?そーかもなー、とドーラ。


ボクらはストレージから、ニヤ達が作ってくれたお弁当を出して食べる。

売り物のとは違い、豪華版しかもでっかい。ボクらは人一倍食べるから!


ご飯食べて、お茶のんで、一息ついたらまた飛ぶ。

「俺がサーチ掛けながらいくから、ユータはもっと早く飛んでいいぞ」ドーラ

なので、マッハだ!!

いや、流石に音速は怖いんでやらないけど、、


遥か下の地面がぐんぐん後ろに流れていく。面白い!

もっと速く!ってなるよね!!


っどどーん!!


「なんだなんだ!!」ドーラ

「ごめん、音速超えちゃったみたい、、だいじょぶ、速度おとしたから、、」

すごいね?何にもないとこであんだけ音がするんだねー

・・・・

「なんか、後ろの方、、森が結構破壊されているけど、、、」ドーラ

?、、あ、、、後ろの遠くに森がえぐれて、、すごいな衝撃波って、、

・・

「!!、これで攻撃できないかな?」

「あー、、できるだろーな、ちょうど真上過ぎた所あたりで今のできれば、、」

「練習するよ!」

・・・・

「いーけど、、周りにあまり迷惑かけるなよ?」

「・・わかった、うちの裏の山の向こう側で練習するから」

まー、なら、いーか、、な?(ドーラ)


(なんか、ユータって、なりが小さいけど、でっかい時の俺くらいのパワーあるんじゃね?)心配になるドーラ


「ねぇ、ドーラ、、なんか、地図を作るいい方法って、ないかなぁ?」

勿論ユータが自分達を包むバリアを張っているから高速で飛んでいても、ユータの上に座っているドーラと話なんかできるのだ。念話使えばいいのに喋ってる。


「あれじゃね?すっごーく高く昇るとか、、」

「・・・空気、なくなっちゃうよ、、」

「そーなのか?」

・・

「ボクの代わりに何かを飛ばして、その画像とか見れないかな?」

「うーん、ジオとかに聞いてみないとわからんなー、あ、夜、マスターに聞いてみるか!」

「いいね!」


森が終ってきている。

木々が少なく、背が低くなって、土が見え始めている。

草原にではなく、荒れ地になっていく。


「あれれ、すげーな、、延々と続きそうだな、、、」

「うん、つまらないね」

「かといって調査しないで跳んじゃうのもなんだしなぁ、、遺跡とかあったらみたいだろ?」

そそることを言うドーラ。にくいね!


「そういえば、森林の中に遺跡とかは無かったのかなぁ」

「あっても、もうぼろぼろじゃないか?木や草に寝食されて。」

そーなのか、、


「荒野のほうが見つかりやすいよ。あったら残ってるだろうし。もし、あったら、だけど」

無いな、、無いフラグがたった気がする、、


「・・・もうすぐ夕方だから、帰るか?」

「そうだね、、これからよく見えなくなるし、、」


で、そこにマークして即転移。


「「だだいまー」」

なんか旅気分台無し?

ちょっとそこまでお出かけ、みたいな感じでしかない。


「どだユータ、あそこからの転移、魔力使う?」ドーラ

「うーん、、なんか、減った気がしない、、」

・・・

「まぁ、、いいこと、なのは間違いないし、、」ドーラ

半端ねーな、、俺より多いかも?、、、いや、減ってるけど気付いていないとか?、、、在りうるから怖いよなユータの場合、、(ドーラ)



夕食。

ダンジョンマスターも一緒に食べる。

「マスターさん、人間の食事でいいんですか?」ユータ

「はい、私は何でもいんです。というか、食べなくても大丈夫だし。そうですね、ちょうど、あなたがたひとの、タバコやお茶みたいなものでしょうかね?」

ふーん?と皆、少し納得?


「おいしいですか?」テイナ

「ええ、とても。なんですかね?味付がすごいというか、今まで無いものですな」

「ええ、まぁ特別なものなので、、」

「こっちの世界のものではありませんね?」

「・・そこまでわかるのか?!!」ドーラ


「うそですwかまかけですよ、ドーラだけなんか異世界と言ったり来たりしていると聞いたので、羨ましくて、、」

・・・・

「まぁ、、ユータの世界になー、俺だけ行けるの!いいでしょー♪異世界ドラゴン!異世界行商ドラゴン!歴史上ただ一匹のみ!!!」ドーラ得意げ

・・・

「わたしも行きたいなー、、とっても行きたいなー、、」ダンマス

・・・・・・


ユータはガンダさんを見る。ガンダさんはドーラを見る。ドーラは首を振る。それを見るダンマス。

「・・・どうだろう?ドーラ、、私を向こうにつれてって!してくれたら、、ダンジョンの皆に、君のお手伝いをさせよう。無制限!それで手をうたないか?」

・・

「皆、、、このダンマスの出した条件、この国にはものすごく良い条件だ。資源、高等魔法、希少魔法、普段のひとの世界では手に入らないもの・ことが、容易に手に入るようになる。

そして、俺は、ダンマスは裏切らないと思う。

まあ、裏切っても、それが手に入らなくなるだけだし、逆にダンマスはつれてってもらえなくなるので、どっちかといえばダンマスのほうが被害甚大だけどな、裏切った場合」


「いやだなぁ、、裏切るわけないじゃん、、異世界、おいしそうだし、、」

「あの、ひとは食べちゃだめですよ?」ユータ

「あっはっは!ちゃんと人間の食べ物しか食べないよ!」ダンマス

ほっとするユータ


「皆、どうだ?俺は、いいと思う、というかドーラに丸投げだな、判断できない。」ガンダさん

皆口々に自分も同じだというようなことを言う。


「んじゃ、ドーラとユータにまかす」ガンダ


「うん」ユータ

「決まりだな。おk.今晩向こうに行くから、連れてくよ、最初は向こうでは見えないようにしててなー、そのうち関係者に紹介するから」

「ダンジョンマスターとして?」

「はは!信じる者はほとんどいないな。俺の田舎の親戚って言うことにしょう」ドーラ


夕食を終え、お茶をのんで一息ついたあと、向こうに戻った。

壁の通り抜けは、ドーラの読みの通り、魔力の多さなのかもしれない。ユータに抱きかかえられ、ドーラと一緒にダンマスも通り抜けられた。

部屋に転移し、それからダンマスは透明化してもらって部屋に泊まる。


ダンマスもものすごく魔力を持っているので、翌日ユータ達が学校に行っている間は、学校をうろつくか、街をうろつくかしていいですよー、と。帰る時になったら念話で呼ぶから、と、とりきめた。


学校の体育は柔道だった。

ぼっとしていて、掴みかかってきたあいてをぽいっとなげてしまった。

投げた瞬間、あ、やばい、と思って、後ろにそのまま仰向けで跳んで捕まえ、抱きとめてそのまま墜ちて転がり、事なきを得た。


皆あっけにとられ、、

「ごめんね、ぼっとしてた、、」ユータ

(・・?・・そういうことだったの?)と皆悩む。

(旨くごまかせたな!)見学していたドーラ。

(?何がー?)ユータ

(・・・・・)


ただ、そこに居たクラスの連中の中では、街の道場主の市がユータに一目おいている、という話は「信じられるな!」ということになった。


下校後、ダンマスと合流。

ダンマスに「トラックのうんちゃんみたいに、作業着になって」と変身してもらい、

ドーラの親戚の運送の人だと設定する。

「帰りに載せる荷が2−3日遅れることになったんで、ボクの部屋に泊めていい?竜雄くんもこっちであった事をいろいろ話したいって。」

とユータは父さんと母さんに言って許可貰った。


こっちでの楽しい生活をみんなトラックの人に話して、田舎の爺さんやらに知ってもらうのはいいことだ。と両親は思った様子。

すこーし心苦しいか、、まぁ、似たようなもん。ドーラの家族みたいなもんだったんだからダンマス。


そんなこんなで、土日をはさんでダンマスは現代日本を楽しんだ。

はたから見れば、ものすごい田舎から出てきたんだろうな、と見えたろう。そういう設定なんでそれはおk。


「はあ!今日も楽しかった。わけわからないことばかり、ってのは楽しいもんですねー♪」

「だよなー!」ドーラ


ボクは最初は、異世界で楽しいどころか必死だったけどねー。


ただ、何か買っていきたい物ありますか?とユータが聞いたら、

「ウチの子達に着飾らせたいけど、すぐ切られたり燃えたりしちゃうからね。見るだけでいいや」と。

まぁ、こっちの世界の物は、そういうのに対応していないからねー。


「食い物にしとけばいーんだよ!タレ!!これに尽きるぜ!!」ドーラ

ドーラの中では、ケチャップもマヨもタレのうちになっている。

カレーのルーも「固形のタレ」と言い放つw


その晩、夕食を食べた後、ダンマスは両親に挨拶、

「荷が入ったというので今晩出ます。おせわになりました!」と。

田舎に帰って行く設定。で、その晩ボク達は向こうに帰った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る