第三十八話 国を作ろう!


ザクさんを向こうに帰してからまた戻ってきて、作業に入った僕とドーラ。


「誰のものでもない土地があってよかったね!」ユータ

「おう、俺らのもんだ!早いもの勝ちっ!!」ドーラ


二人は巨大ドーラが踏み潰した場所の倒木を、枝を払い、皮を剥いて材木にしながら、材木にしたのはこのでっかい街くらいの広さの広場の端に積む。

木の皮、枝などは、離れた場所に集めておく。あとで看板を作るし、できたらそれらで紙も作ってみたい。



そういえば、元の世界でも、今こそ国境が決まっているけど、二次大戦前くらいまでは、まだ国でもない、人もさほどいない、という地域があったそうだ。

だから、この世界が遅れているとかそういうのではないと思う。

この世界が広く、人が少ないのかもしれないし。


どんどん丸太を作っていきながら、ボクの頭はいろいろ考えている。

単純作業って、こういうことできるからいいね♪



「ねぇドーラ、、国って、どうすれば国になるの?」

「あー、、俺に、ドラゴンに訊くか?それ」

「だってボクしらないもん、しかもこっちの世界のことだし、、」


まだまだ倒木は残っている。

むむむむ、、、魔力集めて、、、

「全部の倒木、、皮と枝をとって、、材木になったのは、あのはしのほうに並べ、枝と皮はあっちの隅に山になれ、、

えいっつ!!!」


「お!ユータ、いっぺんにやったのか?」ドーラ

「うん、できるかな?と思って、、」


一気に終わった。

倒木などはふわふわ浮いてくのかなー、とか思っていたが、そんなものではなく、なんか、あれあれ?という間に終わってしまった。


「んじゃ、俺がまた大きくなって、道を作るか、、」

「ん、んじゃー、ドーラはあっちの隅に行って」

「おう、ふみつぶしちゃうもんな、、」


離れたままでドーラに魔力を送る。さっきできそうだと思ったからいけるかな?

最初は少し戸惑ったが、魔力でドーラを捕まえてからは流すのは一気にいけた。


うわ、、立っていられなくなり、しゃがんだ。一応少しだけ魔力を残していたんで、バリアはる。念の為。


ドーラは、うっほおおおお!!とかいいながら、森を踏み潰して道を作っていく。

ボクは少し寝てしまった。


(おーい、おわったぞー、、ゆーたー、、起きろー!!)

(・・・う、うん、、おわったの?、、なにがぁ?)

(いーから起きろ、起きて俺のマソ吸い出してくれよ!!)

・・・・

「あ、そーか、、、」



小さくなったドーラが戻ってきた。

「この体がなんか一番動きやすいな!!」

そうなの?

「食い物だって、食うのにちょうどいいだろ?でっかくっちゃ、なぁ?」

まー、そーだねー


魔力が戻ってきたので、また魔法で倒木を一気に片付けた。


「街、どーやって作る?」ドーラ

「それはー、、ガンダさん達にまかせよう!」

丸投げだなユータ、、


「だってボクはわからん!わかる人にやってもらうのがいいよね!」

「そりゃそーか」


でも地図というか、場所の図面がなければどーしょーも無いだろうってことで、

ドーラとボクは高空に昇り、ドーラのブレスの内側を、でっかい紙を出してそれに念写した。


で、本館に転移で戻る。



「「ただいまー!!!」」


どやどやどや!!

皆が集まっている。別館や孤児院に行っている人たちも。


「ユータ、ドーラ、すっげー広い土地見つけたって?」ガンダさん

「おう!土地、均(なら)して来たぜ!あとは、どういうふうに街を作るか?を考えてくれ!」ドーラ

ドーラはボクの代わりに話してくれます♪


ユータ、あれ出せよ、と言われれ思い出す。

はい、と、まるめたでかいもぞう紙をガンダさんに渡す。


ガンダさんが広げると、、

「テーブルを全部はしに寄せよう、、」と皆に指示だし、

広くなった食堂の床にそれを広げた。


「おーー、、」と皆の声。


「えっとな、この外周の黒い部分が、俺がブレスで焼いた所。この部分の内側が俺達が確保した土地。ブレスの端から端まで歩くと数日?かな?。

誰のものでもなさそうなんで、俺達が国を作っちまえば、俺らになんか言う奴らは居ない。」ドーラ


「ただ、国って、どうやったら国になるのかしらないんだよね」ボク


ざわざわざわ、、俺も知らん、私もー、とか皆口々にしらないと言う。


「あー、支配者が居て、国民がいて、軍が有れば、まぁ国のかたちはできる。その後、近隣の国と付き合いを始めれば、周りは国として見るように成る。そんだけだな。」

とガンダさん。


「軍隊?」ボク

「あっはっは!でっかくなった俺なら、一人で十分!!なので、俺とユータで軍隊だ!」

まぁ、、そりゃそーだな、、とか皆口々に、、


「でも、範囲、を守れないだろう?

もし北でドーラが敵と戦っていた時に、南から他の敵が入ってきたら?」

ジオさん、さすがだね


「え?ユータがバリア張っとけば入れないんじゃね?戦いたい場所だけバリア開けとけばいいだけだし」ドーラ

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・最強だな?

とかいい出す皆。


ガンダさんが続けはじめる。

「まぁ、何十年後かには人間はいづれ歳とって死ぬ。だからちゃんと強い軍隊を作っとかなければならないな。それは徐々にやっていこう。

まずは、街だな。

小さい街でいい。

中心部の大半は畑にしょう。

家畜を飼うのもいいな。

勿論堀を作って魚の養殖は必要だ。ヒモノをたくさん作る必要がある。保存用にもなるし。


街は、安全のために中央にしよう。何かあっても、街の者たちがどっち方面にいくのにも都合が良い。

水は?」


「あ忘れてた、、川は見えなかったんだよな。なのでザクから井戸掘れって言われれたのに忘れちゃった、へて!」ドーラ

「うん、明日やってくる。」

「あー、井戸か、それじゃ街ができてからのほうがいいな。

明日はマキとテイナとニヤ、一緒に行ってみて。なんか気づく事とかあったら気に留めといてな。


街は、本館くらいの大きさで、頑丈な作りの屋敷一軒。これが初代王様の城になる。

城の前にまっすぐ広い表通りを作り、その脇に家を立てる。

今はそのくらいでいいんじゃないか?

誰か、意見あるもの、いるか?何かあったら言ってくれ」


特に無いらしい。

現地に行ってみないとわからないんだろーな。


それからすぐ夕飯にした。

テイナとニヤが気を利かして、おかずを2品多めにした。

これからのことにお祝い、という感じ。


ガンダさんもそれに気づき、食事のために皆が席に付いた時に

「それじゃ、これからどう転ぶかわからんが、、全員で、力いっぱいやってみよう!皆の未来に幸福が在りますように!乾杯!」

かんぱーい!!

子供達は果物汁だ。あの見た目がアレな果物の。


「でも、そしたら、孤児院の子たち、全部そっちに連れていけるよなー」ガンダさん

「でも、孤児はいつでも生まれる。こっちの孤児院はそのまま維持しておきたいよな」ジオさん

「うん、ボクもそう思う。あの孤児院なかったら、今ボクはここにいないし、、」マキ

皆うんうん頷く。


「あれだよな、ダンジョンの宿も誰か代わってやってくれねーかな?もう皆結構宛にしてるんだよね」ガンダさん

「あ、ほら、あの食えない魔獣、あれの買い取りがあるから、ボクらで続けたほうがいいんじゃない?」マキ

そーか、、と銀月3人納得。


「あれだ!ユータにどこでもど・・じゃねー、転移門というか、、転移扉作って貰えばいーじゃん?できるよな?もう。」ドーラ。

名前由来らしい言い間違えしそうになったドーラ?


「・・・・・どうだろー、ドーラが言うんだからできるんじゃないかなぁ、、わからないけど、、」

「あとで試してみようぜ?」


「んじゃ、それができたら、孤児院とダンジョン側の宿と本館と向こうを繋げられるようにできるのか?」ジオさん


「んー、、出る場所を選ぶ、ってのか、、、」

えい!と掛け声かけたドーラ。

その足元に陣が現れる。


「ジオ、テイナ、これ、転移陣。これを解析して、行き先を多方面にして、選べるようにできるか考えてみて」ドーラ

「お、おう、、、」

「うん!」


食事の途中だったが、放り出して興味深く陣に食い入るように見る2人。


「んじゃ、難しいことはわかる者達にお願いしたので、俺らはとっとと食い終えて、扉作るぞ!」

「あ、うん!そーだね!」


やることが一気に増えていく!

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