第三十三話 帰国したら速攻絡まれて道場に連れ込まれた件


その晩、僕らは向こうの世界に帰った。

帰って、すぐにヒモノを食卓に乗せておいた。網草でしばってあるので50枚くらいあるけど乗せられた。


翌朝。

父さんと母さんが喜んでた。


今日はバイトはおやすみ。

なので、街に出てみる。


「そ~言えば、ドーラが来てから外に出るようになったけど、それまでは外になんかほとんど出なかったんで、何処に何があるのか、あまり知らないや!」

「そうなのか?出ないで何やってたんだ?たのしんか?」ドーラ


「たのし、くは、ないかなぁ、、でも外に出るといじめられること多かったんだろうね、だから出ていなかったんだと思う。」

なんか凄く昔のように感じて、あまり覚えていない??


「ふーん、、ろくでもないのが多いんだなぁ、、」

そうだね、、


ユータもドーラも気がついていないが、遠くからユータの姿を見て逃げていく者がそこここにいた。


でも、勿論そういう者たちばかりではなく、すんごいバカもまだまだいるので、、、、


「おう、ユータ、顔かせや」

と、集団。

歳は20歳未満ばかりのようだが、ユータは相手の確認もしない。

昔は怖くて確認なんかできなかった。

今は全く気にしない。覚える気も無いので、確認しないのだ。


後ろ手で、ドーラにスマホを渡す。ドーラはまた録画するだろう。そしてネットにUPするだろう。面白い♪


ユータは返事もしないし、動きもしない。

「あ?聞こえてネーの?ビビってんの?流石にこれだけの人数、大学生や大人も多くちゃビビるか!あっはっはっは!空手の道場の師範もいるんだぜ?おまえ、どうなるのかなぁ?楽しみだなぁ?あっはっはっはっは!」


これ、誰だっけ?

「・・・君?誰?」ボク


「・・・っつ!!!やっちまえ!!!」

「おいおい、何熱くなってんだよ、しかも俺はお前なんかの手下じゃないぜ?頭に乗るなよ?ボコるぞ?

さて、ぼうや、こいつが誰なのかなんて、どーでもいいことだ。今重要なのは、坊やが俺達に付いてくる、ってことだ。

いいな?」


「なぜ?」ボク

「・・・・・・のんきなのか?天然か?、、すげーな?、、、これを、やるのは、、いくら俺でも気がひけるなぁ、、かわりに、、」

ボクッ!!!


最初ボクに話しかけて途中でキレていた奴がその人のイッパツで10mくらい宙を飛んで、向こうのビルの壁にぶち当たって伸びた。


「俺は帰るわ、、こんな平和そうな

その人は止まった、


(ユータ、おまえ、今、気を出したろ、、)ドーラ

(そうお?目の前で暴力使われて少しムッとしただけだけど、、)

・・・


その人はボクをまじまじと見る

「前言撤回。こいつは、、すげぇ、、、いや、楽しみだ、、、そうだな、うちの道場に来い。俺に勝てば師範、いや、道場主にしてやるよ!がっぽがっぽだぜ?」

「いいです、いらないです。でも、行くのはいいですよ」


(ドーラ、撮ってる?)

(おう!最初からばっちりだぜ?!!)



その道場は駅の向こうの寂れた方にあった。

3階建てのビル。結構広い?


「へぇ、、広いですねー。」

「いいだろう?カネかけたんだぜ?シャワールームやジムもあり!おまえ、勝負終わったらどっちにしても、うちに入れよ?」

「うーん、、あまり暴力好きじゃないです」

・・・・・・・・

あー?、、、しんじらんねぇ、、何言ってんだ?

とかぶつぶつ言うその人。


その人は道着を2つ持ってきた。

「ほれ、着替えろ。でないと服がだめになるぞ」


ああ、そうか、、、

でも

「着方、忘れちゃって、、、」 体育の時間に柔道あったけど、、、数回だったし、、

・・・・・

「おい!そこの、着させてやれ!」


「どこでどーなったらこんなのがあんなに殺気だせるんだ?」

と、少し泣きそうなその人。


ほかの一緒に居た連中は、道場の周囲に座って壁によりかかったり畳に寝転んだしして待っている。


(楽しみだなー、わくわくだなー、こいつ、強そうだよな?マジでやれよユータ!それが礼儀ってもんだ!)

漫画の読みすぎだよドーラ、、、


(おら!わくわくするだ!!!)ドーラ

いつの漫画、、、あ、、古いから奥の奥にしまってあったのも引っ張り出して?

なんか、全部引っ張り出したのっ?!!、せっかく揃えてしまってたのに!!

・・・まぁいーか、、ドーラだもんなぁ、、、


(なんか失礼な気がした件)ドーラ



「よし、いいだろう?やるぞ」

と、中央に引っ張られていく。


んじゃ、と、

「礼!」

そのひとがペコリ、としたんでボクも真似する。


で、その人が構えたんでボクも真似する。


で、その人が殺気を放ったんで、ボクも真似する。

と、

その人がドーーっと汗を顔中から流し始めたんで、、


「真似できるわけないよっつ!!!!」叫ぶ


びくっ!!として数メートル後ろに跳び下がるその人。

・・・・

「おい、、いきなり何を?」


「いえ、なんかボク何も知らないから、あなたのやることを真似していたんですけど、でも、どーしても汗をドーーって流すのができなくて、、、思わず叫んじゃって、、」

・・・・・・・・・

いきなり、OTZ状態になるその人、、、


「・・・あのなぁ、、」

「はい、、」

「俺が、、いや、、、あの汗、、冷や汗ってんだよ、、、」

「はぁ」


「知ってっか?冷や汗って」

「あまり良く知らないです」

・・・・・・・・・・


まぁいいか、、、

その人はしゃきん!と立ち上がった。


「よし、んじゃ俺が攻めるから、俺に隙きがあったらどんどん打ち込んでこい!いくぞ!」

ダッと向かってくる。


遅いんで、ギリギリまで待ってきたけど何もないんですっと避けて振り向くとソコに背中。なのでトンと押す、ズドン!

壁際の数人を巻き込んだ。


「くっ、、やるなぁ、、まだまだぁああ!!」

だが、今度はかかってこないで、構えたまま様子見している。


(ユータが掛かっていく番なんじゃないか?)ドーラ

(わかった)

タンと少し飛び跳ねる感じで、一歩でその目の前に言っちゃったので両手でぶつからないようにその人を押したら、

ドン!!

またもやその人は数人巻き込んで、、、、


そんなこんなを何度か繰り返していたら、

その人も、見物していた全員も、なんか気絶?寝ている?みたいになった。


(あんましおもしろくなかったな・・・)ドーラ

(うん、ゴブの群れのほうが面白い。投げても投げても立ち上がってすぐかかってくるから、練習になってたし、、)

(あー、ゴブ以下か、、なぁ、道場って何?やられてもいいような場所なの?)

(さあ?聞いたことあるけど、来たの今日がはじめてだから知らない)

そうか、、


ボクは着替えて、道着はちゃんと畳んですみの方に置いておいた。



それから駅にくっついているビルの中に入って、いろいろな製品を見ながら、ドーラに色々説明した。

勿論携帯ポットも。

ドーラがのぼりの棒を作った金属でこれを作ると、一日たっても冷めたりないんだよ、とか、


電気製品は使えないし、魔力使う方がよほどいいし、なので布団とかみたり、向こうに無いものでよさそうなものを見た。勿論お菓子も見たけど、あまり参考にならないな。


(布団はいいよな!でもこれ、おまえんとこにあるよりなんかもふもふしててぞ?)

(高いやつだからね。鳥の胸のところのふわふわな羽を詰め込んでるんだよ。水鳥だったっけな?)


(よし!俺がいっぱい狩ってきてやる!)

(そんだったら、飼って増やすほうがいいんじゃない?)

(あー、そのほうが全員分つくれるなー、時間かかるけど、、)


種を売っているところに行き、結構買った。

おもちゃ屋に行ったとき、BB弾を撃つライフルを説明した。


「これ、魔力で撃てるんじゃね?いや、コレ使ったらすぐ壊れちゃうけど、向こうで同じもの作って、魔力使って撃つようにしたら?」とドーラ

「いや、魔法でそのまま小石でも飛ばすほうがいいでしょ」

のボクの一言で終わった。


「そーだけそどよう、、、おまえ、ロマンてやつが無いよなぁ?」ドーラ

すごいな、そこまでもう到達しているの?ドーラ!



歩き疲れては居ないけど、小休止。

喫茶店の隅に座り、ケーキを3つ、紅茶を2つ注文し、ドーラと食べる。

怪訝な顔する店員。ドーラは見えないからね!、見えたら大変だけどっ!!!。


(いーじゃんなぁ?ひとがどう注文しようと。こっちのやつらそういうのがキモいよな!)ドーラ

キモいとかもわかるんだ!!すごいなドーラ!

・・・・・


外に出ると、いつの間にか日が傾き始めていた。

(あ、昼飯くってねぇ!)ドーラ

(帰ってから食べようよ、今度給料出たら、また外で食べさせてあげるから!)

(しかたねーなー)



いつもの公園を抜けようと、、、

「ユータさん!お待ちしておりました!!」

・・・・・


あの人、道場の人が待っていた。一人で。

「えっとー、、、」ボク


「すみません!勝手に待ち伏せするようなことをして!でも、どうしてもっ!!」

がばっ!

とその人は地面に正座し、土下座?し、、


「弟子にしてくださいっつ!!!」


「「は?」」

ボクとドーラはあっけにとられる

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