第三十話 お弁当と宿の相乗効果?
夕食の後、弁当作りを手伝おうかな?とおもって厨房に行くと、
マキも別館から来て手伝っていた。
「あー、んじゃ、ボクとドーラは余計かな?」とつぶやくと、
「いやいやいやいや、詰め込みを頼むよ!」とマキ。
即断だね剣士だから?
ボクとドーラは手をキレイに洗って、
バナナの葉みたいなのに、ご飯を盛り、よこにおかずを乗せていく。
「あ、今日はひとつ多くなるから!」とテイナ
「え?何が?」
「ふれんちふらい?あの、芋をあげたやつも少しいれてみることにしたの」
「豪華だな!」ドーラ
ごはん、おかず、フレンチフライ少々。
こっちでは、ご飯とおかず1種類が普通。
だからやっぱドーラの言うとおり、豪華に見える。
「大丈夫なの?値段」一応心配なボク
「うーん、まだ大丈夫、半分売れ残ると、厳しいかな、、、」テイナ
「大丈夫、ボクが売りつけるから!」マキ
そうか、、そうやって完売させてくれたのか!!流石チームリーダー!!
「でも、これ、材料は全部ウチで獲れてるものばかりだから、実際はお米代と鶏のエサ代くらいかしら?いえ、餌もうちの自家製だし、、調味料代くらい?」
なるほど、、、
自給自足、最強だねっ!!
「んじゃ、どーせ残っても、俺とニヤとユータの昼飯になるだけなんだから、同じだろ?30個くらい作っちゃえ!!」
とドーラ。
「・・まぁ、そうか、、、そうだよね?私達大人の昼ゴハンを、売れ残ったお弁当にすればいいだけだもんね!うん!」
とテイナ
結局40食作りました。
夕食時まで持つので、残ったら夕食もお弁当でいいじゃない?ってんで。
今日明日くらいはいいけど、毎日だと、、、
売れてください!!!
「では、僕らのお昼はこれでいいとして(8人分)、32個を売りつけるとしよう!」
心強いことを言ってくれるマキ
わざわざ8食、残さないでもいいですけど、、、
マキ食べたいんだな
なんだかんだで、40食作り終えた。
おっきい葉っぱで包んだお弁当は、なんか美味しそうだ。
売れそうな気がした。
その後、ボクとドーラは風呂に入って寝床に着いたけど、寝るまでドーラは「明日弁当食いたいなー」と言っていた。
翌日昼時。
「マキ、来ないわね?40個、売れたとか?」テイナ
「おいしいからにゃ!昨日買ったやつらが宣伝したんだにゃっ!!」
「まぁ、見た目でも美味しそうに見えるけどね」
おやつの頃になってマキが本館にやってきた。
「おー、なんか、売りつけなくとも無くなってた、、すぐ売り切れた。なんか3つ4つ買っていく奴多かったんだよなー」
再販?
「多分、頼まれたんじゃにゃいかにゃ?」
「ああ、なるほど、、」ボク
「特に深く潜るときなんか、一食でもいいもの食べておきたいよね。あとはずっと大したもの食べられないんだから」マキ
「魔獣も、ダンジョン内のはおいしくないし、、、」テイナ
「あれ食べるくらいにゃら、干し肉のほうがいいにゃ!」
「「だよねー」」
「ダンジョンからのかえりの人ったちって、どのくらい別館に泊まるの?」ボク
「今は、、あまり獲物を獲れなかった人以外は、大概泊まっていくよね。皆風呂入りたいって言って。あと、うちのベッドが寝心地いいって言う人は常連になっている。
今、20人くらいいるんじゃないかな?常連さん。」マキ
「毎日、どのくらいの人たちがダンジョンに来るの?」
「10人から20人?、明け方とかの人もいるだろうけど、それはわからない。」マキ
「それじゃ、40食って、結構すごくない?」テイナ
「言われれば、そうかもね?」マキ
その後、お弁当食べた人たちは、ダンジョンの帰りに皆別館の食堂に寄ったそうだ。
で、そこで風呂があると聞いて、その場で泊まると決めた者達が大半。
急ぎの約束などあって泊まれない者は、後ろ髪ひかれるように街に帰っていったそうな。
お弁当によって、別館の周知度が上がったのが良かった!!
夜、
お弁当作りの最中にボクは気がついた
「あのさ、」ボク
「うん?」
「うん」
「にや?」
数が多くなったんで、ほぼ毎回マキも手伝いに来ている。
「あの、ダンジョンの魔獣の魔石無いほう、、うちで買い取りとか、しないの?」ボク
・・・・・・・・・・・・・・
「「「天才かっ!!!(にゃっ!!!)」」」
「んじゃ、宿に泊まった人に限定、ってことで買い取りするとか?
だって、全員じゃ多すぎるんじゃないかな?」マキ
「「「アコギな天才かっ!!!」」」
翌朝の食事の時に、ガンダさんに了承もらい、別館と本館で開始した。
買い取り値は、魔石出る魔物の魔石代の半値。小さい獲物で別館一泊朝夕付きの値段とほぼ一緒。
なので、帰りにでも1頭しとめて持って帰ってくれば、その日は街に帰らなくとも、ここで一泊して温泉に漬かって美味しい食事ができるのだ。そして翌日のんびり帰ればいい。
スラえもんは狩り班なので、いつも狩り班隊長であるマキと一緒にいるなので、魔石に変えることは問題ない。
よって、マキが、買い取り担当になった。
「お仕事増えちゃったw稼ぐよ?!」マキ
お弁当作りの手伝いは僕らで間に合うから、来てくれるのはたまにでいい、とテイナはマキに念を押した。
マキは皆と話したいから来ているんだろけど、それで疲れちゃったら困るもんね。
「そのうち、別館の厨房を大きくして、あっちで弁当つくれるようにすればいいよね。」ボク
「「「天才かっつ!!でもおそいよっつ!!!」」」
翌日、朝食後、ボクとドーラが別館に行って、厨房を倍にして、竈も多めにして、
更に、ついでに旅館の客室数も増やしておいた。
一日がかりになって、すごく疲れた。
でも、その晩から別館で弁当を作ることになったのでそのまま居た。
少し昼寝して夜に供える。
夜に弁当作って、まだ夜が明ける前に本館に帰る。勿論ボクの転移でテイナとニヤを連れて。
なんか、たまーに大量に注文してくれる人がいる。流石わかっているらしく、ダンジョンに入る前にここに泊まってくれて、来た時に注文入れてくれる。なので助かっている。
「なんだろう?団体さん?」ボク
「多分、、ストレージ持っている人なんじゃないかな?ほら、腐らないから」テイナ
なるほど、、普通のストレージも腐らないのか?
しかも、3種類あるからさほど飽きない、、つか、飽きても干し肉だけより万倍マシ。
「ベテラン冒険者?」ボク
「多分ね。超ベテランかもしれない。」マキ
「ほう、そういう人が気に入ってくれた、ってこと、で、いいのかな?」
「いーにゃ!!超ベテランの御用達弁当屋にゃ!!」
でも、特に宣伝することもなく、どんどん知られていったみたい。弁当と宿のこと。
それから2−3日後
「そろそろ向こうに帰ろうか?」ボク
「ユータは、どっちに対しても”帰る”なんだな!」ドーラ
そう、行ってるよな、、だってそう思うんだもん、、、
「よし、今晩にするか!善は急げ!急がば回れ!」」
「??うん、んじゃ今晩ね!」
今晩僕らは向こうに帰る。
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