第271話 いよぅ、大統領!

「読まれてるなー」と、友里絵。

にっこり。


由香「だーって。あんたがそんな事知ってるわけないもん」

と、友里絵をながめて。



友里絵は「だから、人間が最高だなんてことないよ、みんな友達だって。」

ちょっと、思い出すように。壁の方を見て。




愛紗「あのひとらしいね」

と、穏やかな気持になって。微笑んだ。




サベツしたり、攻撃したりしない。おだやか。

そういうひとだ。





友里絵「てめーらー人間じゃねぇ。叩っ斬ってやる!」

とつぜん。



真由美ちゃん「お父さんが良く見てました。『子供は早く寝なさい』って言って。

居間のTVで」

浴衣の前を合わせて、しっかり正座している。



菜由「全部殺しちゃうのね」

スツールから降りてきて、座卓の前に横座り。





友里絵は座って「ふっふっふ・・・お主も悪いヤツよのう。越後屋」と、悪い代官の顔真似。

ちょっと斜めに。


真由美ちゃんは、吹き出す。「面白いですね」


友里絵は、仁王立ちで。障子の向こうに行き・・・・。

開く仕草。怖い顔。



由香が「・・・お主は、破れ傘刀舟」と、悪い代官の顔真似で。




菜由は「出たな」


友里絵は立ったまま、遠くを見て「罪も無い百姓を、虫けらのように殺しゃがって・・・。

テメエら人間じゃねぇ、叩き斬ってやる!」と、太刀を抜いて。

悪代官に斬り掛かると、太刀を、ひゅっ、と振る。


斬られた悪代官は、突っ伏す。



菜由「いよっ。萬屋!」




愛紗「小金治さんが片付けに来て」



真由美ちゃん「そうそう(^^)」


友里絵は「真由美ちゃん、どこで見てたの?」


真由美ちゃん「再放送で。今はお部屋にTVあるし」



愛紗「なーるほど・・・。」



菜由「今見ると、なんか解るよね。ああいうの見たい人の気持」



愛紗「あれ、10chで作ってたんだよね」


菜由「そうそう。日本教育TV=NipponEducationTv」


由香「何の教育だか」


友里絵「正義の教育でしょ」


由香「なるほど・・・。」




そういえば、5人は「安全」と言う「正義」がある職場だから

ヘンな人の言いなりにならずに済んでいる。


普通は・・・そうでもない。






友里絵「あの音楽がいいんだなー。」



愛紗「ボレロね」



菜由「そうだっけ。あー、なんか。あったな。ダンスの映画」



菜由「バレエだっけ」


真由美ちゃんは「クラシックの曲の・・なんでしたっけ。形式?」



友里絵「リズムとビート、みたいなの」



由香「そういう感じだね。」




真由美ちゃん「水戸黄門とかも」


愛紗「そうね。あんな感じ」



由香は、友里絵を見て・・・・。


友里絵「なんだよ」


由香「いや・・・。」


友里絵「なんか言わせたい?」



由香「言うかと思った。こーもんって」


菜由「ははは。パントマイムかい」




友里絵「こーまんじゃないよ」



由香「ぎくっ」


友里絵「高慢」


菜由「あー、びっくりした」




愛紗「心臓に悪いね」



友里絵「ははは。正義は勝つ!」



由香「それは正義か?」




菜由「ぼちぼち寝よっか」と。すこしのんびり。



愛紗「そうね。今日もいっぱい遊んだし」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る