第20話 手紙

あしくびを番えて生きるわたしたち枷ではなくて副木として


あこがれに手が届きそう潮騒は夜の帷の柔毛(にこげ)を濡らし


ふたりきりになれる場所はまだ遠く電話BOXくもらせる雨


封筒に蕾と書いた開かれる願いが十(とお)ほど抽斗の奥


「団欒」も「笑窪」も書けます「元気でね」が書けたらあなたに手紙を書きます

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