魔法が使えない

それで、映写技師さんとの

デート(笑?)も、終わり。


でも、女優になれるかなー、なんて

めぐは、わくわくだった。


クリスタさんがお目当てとは言え(笑)



おまけだって、いいもん。


大きなスクリーンで、お芝居をして。



すてきなラブストーリー、スペクタクル。


かっこいいお話もいいな。



夢は膨らむハイティーンだった。




結局、その日の

アルバイトは、夕方まで

図書館に居てしまって。



平日の閉館は午後5時。



「さ、おしまい!」と、めぐは

クリスタさんに言って。


「おつかれさまでした」と、

クリスタさん。



そういえば、天使さんだった時は

すこし、幼いような感じに見える事も

あったのだけれども。


少しの間に、ずいぶんと

レディーらしい雰囲気になった。






映写技師さんが、ヒロインにしたくなるような

そんな女の子(笑見た目ね。中身は天使さんだから、男でも女の子でもない。でもそれば、人間も一緒だけど)。

になった。




「ルーフィさんたちは、どうしたのかしら」



と、めぐが気づく。



「お帰りになったのではないでしょうか。」と、クリスタさん。




だいぶ、時間が経っているから


そうかもしれないな、とめぐは思う。



書庫のほうから、主任さn。


主任さんに「おつかれさまでした」と

ご挨拶。



「やあ、ありがとう。おつかれさま」と

主任さんは、にこにこ。


「済まないね、甥がわがままを言って。」



とも。



「いいえ、レモネードを頂きました」


と、めぐは正直に。


「もっと、高いものを頼んであげればいいのに」と、主任さんも楽しそう。




「はい。あ、サンドイッチ頼むの忘れちゃった。」と、めぐはユーモア。




ははは、と、主任さんは笑って

「それで、あいつはなんて言ってた

?」と。


「映画に出てほしい、って。」と

めぐはそのまんま、言った。」




主任さんは、少し思案顔で


「そっか。それって、気に入ってるんだよ、きっと。」と、面白い事を言った。




映画好きが、映画に出てほしい、ってのは


心の中に君がいる、って事だから。



そんな事を、主任さんは言った。




主任さんも、やっぱりめぐたち

みたいな、いい子には

幸せになってほしいのだろう。


でも、自分がパートナーになる訳にもいかない(笑)。


そんな風景、主任さんは

自分から、そう思って。


かっこいい甥だったら、と

そんなふうに、思ってて。


甥の申し出を、受け入れた。

お父さんみたいな主任さんの、そういうところは


実は、めぐ好みだったりもする。


でも、分別のある主任さんは

それを、言葉にする事もない。



いい人だ。


でも、もし、恋する言葉を語れば

甥と、叔父は

恋敵?



いやいや、甥のお目当ては

クリスタさんだから(笑)。


カップル2つ、になるだけだ。




でも、めぐはルーフィを思っているから


それは、叶う事のない恋、に

なるかもしれないけれど・・・・。







その夜、家に帰ってから

ルーフィは、めぐに

魔法の、基本的な使い方を教えた。


時間旅行をするための、魔法陣。


慣れるまで、紙に書いて練習してね。と。


円を描いて、方位座標を描く。


それで、どこに行きたいか、を

念じ易くするのだ。


慣れれば、ルーフィのように

宇宙を目指し、空間に心で描いたりする。




「やってみて?」と、ルーフィは言う。



ルーフィの記憶では、めぐは能力を

持っていた。



それを、天使さんのために

封印していたのだった。





封印を解放するメッセージも

その、魔法陣に書いてある。




「わたし、できるかしら・・・・?」


いまのめぐは、魔法を使った事はない。



前の人生の、その経験は


忘れている。




「こころで思ってみて?」


と、ルーフィは言う。



それで、めぐは


なんとなく・・・思ってみた。



でも、何も起こらない(笑)。



はて?



(笑)魔法、使えないの?








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