スカイレストラン

夏休みなので、お客さんは

そこそこ入っていた。


ちょっと、高級感があるし

カジュアルな服装では入れない。

そんなところもあって、静か。


そのあたりも、レストランを好む人たちには

好評で


景色を眺めながら、美味しいものを静かに頂きたいと言う、穏やかな趣味のひとお


賑やかに談笑しながら、会食をしたいと言う人達とは

相容れないのも、仕方ないところ。



なかなか、このあたりは

事前に判るものでもないので


入ってから、しまった、と

思わないように。


入り口に看板でも立てればいい、と

思ったり(笑)。




このお店は、公共の施設にあって

静かに、料理を楽しむところだった。



それなので、めぐたち若者には

あまり縁のないところだったりもする。



「はじめまして」と映写技師さんは

クリスタさんに挨拶。



クリスタさんもご挨拶をして。


「僕は、映画を作っている者なのですけれど。映画、と言っても

ほんの趣味程度のもので。


時々、ここのシアターで

上映させてもらっています。」



この町は、割と文化的に

すこし遅れてる(笑)と市長さんが

思ったのか


文化事業に力を入れていて。


彼のような創作をする人達に

シアターを貸してあげたり。


演劇を、シティホールで行ったり。




そんなわけで、この町にも

作家志望の人達が、少しづつ

集まってきたり、していた。




「それで、御呼び立てした理由は・・簡単に言うと、お二人に

出演して頂けたら、と思って。

お願いに上がった訳です。」



めぐは、ちょっと勘違いしていた

自分が可笑しくて


笑いだしたくなった。



クリスタさんを、デートに誘ったのかと


思ったので(笑)。




それは、そうなのかもしれないけど(笑)


でも、さりげない誘いかたで



女の子としては、映画に出て、と

言われると


ちょっと、嬉しいかもしれなかった。




めぐは「ヌードはないですね」と

ユーモアたっぷりに言うので


映写技師さんは、笑ってしまった。




「もちろん、ないです。いや、

おのぞみならば・・・・」と

にっこり。



「まあ」と、その大人っぽい

ユーモアに

めぐは、少しどっきり(笑)。



めぐよりも、年上の映写技師さんは結構、大人なんだ。


そんな事を、その会話の中で

めぐは、感じた。



そういうふうに、少しづつ

おとな、になっていくのかしら。



そんなことを、めぐは思った。



クリスタさんは、のんびりと


話を聞いてる。


別に、ヌードの話にも

何も感じる事もないのは

元々、天使って

セミヌード(笑)みたいな格好

だからか。


クリスタさんは、ふつうに

服を着ているけど。




「ありがとうございます、これから

夏休みで旅行に行く予定なので・・」



スケジュールが合えば、別に

出てあげてもいいわ(笑)。



女優さんみたいな気分を

めぐは楽しんで。




クリスタさんは、黙って聞いてて

「わたしは・・・そうですね。

めぐさんと一緒なら・・・・」と


そんなに、興味がある感じでも

なさそう。





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