ふわふわ

電車が揺れても、クリスタさんは

かーるく、ゆらゆら。


わたしもダイエットしようかしら(笑)


なんて思うくらい、軽快だった。



あのくらい軽いと、ハイヒール履いても


ガイハンボシになんないわ(笑)


なーんて。



クリスタさんも、わたしも

ぺたんこの靴だけど。



もちろん、めぐは学生だから


そうだったりするけど。





階段とか、あるきづらいもん。





「あ、着きますよ」って

ルーフィは、クリスタさんをエスコートして。



2ステップの電車を下りる。




ワンコインを、料金箱に入れて。



透明なプラスチックの料金箱の入り口に

ベルベットのコンベアが、コインを


キャシュボックスに運ぶ様子を

クリスタさんは、不思議そうに

見ていた。


大きな瞳は、透明感があって。

のんびりとした表情なので


遠い、記憶の中にある

ノヴェルティな感覚、それを

思わせるような感じ。



ゆっくりとステップを降りて。



図書館の前、ペイウ゛メントは

柔らかい桜色。


街路樹が緑に生い茂る夏。


蝉の鳴き声が、そこかしこに。



木漏れ日、きらきら。




「さわやかですね」


クリスタさんは、白い夏帽子。

さらさらとしたサテン。



めぐは、ストローハット。

端っこがぱらぱらしてる、男の子みたいな。



夏、らしい。




わたしは、いつも取材で使っている

コットンの帽子。


地味だな(笑)。



でも、記者だもん。





ルーフィは、おばあちゃん特製の

パナマ帽。



すらりと背が高いので、よく似合う。





「大きな建物ですね」と

クリスタさんは図書館を見上げた。



ガラスの塔みたいに見える

図書館は

ステンドグラスがあったり、てっぺんに

太陽みたいなモニュメントがあったり。



ちょっとアート。


芸術っぽい建物だ。





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