別離

「よいのだな。」神は、確かめるように

最後通告をした。


めぐは、無言で頷いた。


「待ってくれ」と、丘に

昇ってきたのは、ルーフィだった。


屋根裏の、ルーフィの部屋から

飛び出して来たのだろう、

スマートな彼にしては、裸足のまま。


「めぐちゃん・・・」ルーフィは

そこまで言って。


でも、めぐの決意が

読み取れたのか


そこまで言って、黙った。



めぐは、俯いたまま、静か。


でも、ルーフィの姿を見て


透明な涙滴、さらり。




神様を見る。



神様は、意思を感じ取り


左の指で、天を差した。



満月の夜だった。

けれど、一瞬、月明かりは陰り・・・



その場の空気が揺らいだ。



眠っていためぐの意識は

一瞬にして18年戻り・・・



そして、一瞬で18年を経験した。

ただ、魔物と異なる次元の記憶を

失って・・・。








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る