天使と悪魔

その、にゃごの活躍を

池の畔にいた、ルーフィとわたしも


見ていた。



「あれって、にゃごだよね」と、わたしは

ちょっとびっくり。



「そうだね、魔力を持っている筈は

ないけれど」と、ルーフィ。



転生して、猫として生きているのだから

悪魔くんだった時分の記憶は、忘れている筈だけど

もともと、寡黙だった彼が

いま、ただの猫として生きているのか?


もし、そうでないとすると....





その瞬間の雰囲気を、ルーフィは感じ取っていたけれど

魔力を持つ者の雰囲気はなかったようだった。






「うーん」ルーフィは考える。




まさか、だけれども

天使さんが、にゃごを促して

助力したのかもしれない。




にゃごが、いいことをすれば

神様だって、転生を認めてくれるかもしれない。




そんな、天使さんの願いが

通じたのかな?



天使さんの幸せは、みんな、が

幸せになってくれる事。




そのため.....?


元悪魔くんの幸せ、は

天使さんのそばにいること、だけど



いま、にゃごになっている彼が

それを、感じ取れているか、は

わからない。




人間に、運良く転生できても

前世の記憶を持っているかは

わからない。




それでも、悪魔くんは

魔力をすてて


転生を選んだ。



天使さんは、彼に

幸せになってもらおう、と。



無償の愛は、美しい。博愛と呼ぶべきだろうか。







「じゃ、そろそろ」司書主任さんは

カウンター業務についているめぐ、に


映画の試写会に行くように、促す。



「すまないねぇ、迷惑じゃなかったかな」と

主任さんは、甥のわがままを詫びる。




「いえ、迷惑だなんて....」と、めぐは言う。


迷惑ではないけれども

はじめて、知らない人に会うのは

あんまり好きじゃないめぐ、だった。





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