ことば

ルーフィは、魔法使いなので

魔界の言葉を知っている。



「ごきげんよう」と

語りかけてみたけれど


彼は、黙して語らないので



「魔界に戻れなくなっちゃうよ?」と

次元の扉が閉じてしまう事を、ルーフィは

伝えた。

人間界で、食べ物を探して生き延びる事は困難だ。

それに、魔王が

それを認めるかどうか....。


以前は、追放と言っていたくらいだったから。



人間界に悪魔くんが残る事を

単階の盟主、神がそれをどう思うか?


人間界が正常になったと

認めてくれるだろうか?



わからない。



認めて貰えなければ....契約は....?


めぐの命は...?




不安に思い、ルーフィは

更に呼びかけた。



「なぜそこにいるの?」



彼は、言葉を発しない。


けれど、めぐ、ではなくて


めぐに宿っている、天使さんを

じっと見ている。



見ている、というより

感じている、と言うのだろうか。





わたしは、なんとなく思った。



「もしかして、悪魔くん、天使さんの事を...」



ルーフィは、わたしに振り向いて

「キミの発想はハッピーだね。でも、そうかもしれないね」と

にこやかに悪魔くんに呼びかけた。



「もし、僕らの想像通りなら、天使さんに恋しちゃったのかな?それは、僕らは止めはしない。好きにすれば」と。



「そんな事言っちゃっていいの?」と、わたしは

びっくりした。



ルーフィーは笑顔で「いけない、って言ったって

どうしようもないよ、それは。

天使さんがなんて思うかなぁ」





それは、そうよね。

好きって気持ち、どうしようもないもの。



悪魔くんは、好きで魔界に生まれた訳じゃないし。

天使さんに、出逢う事なんて

魔界じゃ、ないもん。



偶然、人間界に天使さんが降りてきて。

魔界から、悪魔くんが来て。


出逢ってしまったのも、どうしようもない。



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