幼馴染に浮気され、義妹とセフレになる
ゴールドユウスカイ
春
第1話 帰ってこないね。ママも。おじさんも
「帰ってこないね。ママも。おじさんも」
裸で抱き合っていた義妹の
時刻はすでに朝7時30分となっていた。朝9時の始業に間に合わためには、30分前には家を出なければならない。
そろそろ準備を始めないと学校に遅刻する。
「仕事で遅いんだろ」
とりあえず適当に誤魔化し、結愛の体からゆっくりと離れ、上体を起こした。
「じゃあママは?」
「詠美さんは…分からない」
「分かってるくせに」
結愛はふあ、と小さなあくびをした後、すらりとした脚を掛け布団から出し、先ほどまで僕といたベッドから出る。
肩まで届く黒い髪。
雪のように白く、ほんのり紅潮している頬。
薄い桜色の唇。
16歳になったばかりの、花のつぼみのように瑞々しい肢体が朝日に照らされていた。
「どう?」
両腕を広げ、結愛はにかっと笑みを浮かべる。
「お兄ちゃんだけに許されたこの背徳的な…ってなにすんのさ!」
「風邪をひくだろ」
「だからって毛布投げつけることないでしょ!?」
「先にシャワーを浴びた方がいい。朝食は俺が作っておく」
「はいはい。ったく、終わったらすぐ賢者モードになるんだから」
不平を述べながらも、結愛は自分の体に毛布をまとった。まだあどけなさを残した小さな顔以外がすっぽりと収まる。
寝室のドアを開け、階段を降りていこうとする結愛だったが、こちらを振り向いた。
「もう1回する?」
「馬鹿」
「ちぇっ」
ドアは閉じられ、階段をすたすたと降りていく音が聞こえる。
音が完全に聞こえなくなるまで聞き耳を立てた後、俺はベッドの状況を確認した。状況はあまりよろしくない。「ラブホテルの清掃アルバイトはキツイ」とネットで読んだことがあるが、それを実感する日が来るとは思いもしなかった。
「とりあえず、ゴミから片づけるか…」
部屋の隅に置いてあったゴミ箱を手に持ち、ゴミを捨てていく。気持ちの良いものではない。行為の痕跡を示すそれらを手に取ると、自分がしたことに対する実感が湧いてくる。
俺、すなわち
ーあんたもあたしが邪魔なんでしょ…?気持ち悪いもんね、こんな歳になって義理の妹なんて。
不意に、初めて結愛を抱いた日の事を思い出した。
義理の兄妹の関係になって、初めてみた泣き顔。
それまで散々体に触れるのを嫌がったのに。その日だけ、胸にしがみついてわんわん泣いた。誰かの温もりを求めた。
ー抱いてよ。抱いたら、あんたを、お兄ちゃんと認めてあげる。
そして俺は、一線を越えた。
結愛が初めてだったことに気づいた時には、すべてが終わっていて、どうしようもなかった。
それを止めてくれる人間も、今この家にはいない。
死んだ母さんが空けた心の穴を埋めたがっていた親父もー、
シングルマザーからの重圧から解放されたがっていた詠美さんもー、
ずっと家を空けたまま。
俺は結愛の家族になれなかった。
「シーツの洗濯は…帰ってきてからでいいか」
とりあえず片付けを終え、俺も家の1階に降りようとする。特に使う用事もない水色のスマホを充電コードから抜き、LINEを確認した。
1件、連絡が来ている。
「円二くん。最近私を避けてませんか?」
結愛の初めての彼氏を奪った俺の幼馴染、
****
あとがき
相変わらず癖の強い作品ですが、もし気に入れば応援や☆、フォローを頂けると嬉しいです!
☆500達成でイラスト化企画を立ち上げますので、よろしくお願いしますm(__)m
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