きみとぼくのせかい

月乃

しろ

 降り積もる何かに覆われたせかいは真白に染まっていた。

「まっしろだね」

 いつの間にか隣に立っていたきみは言った。

「そうだね」

 なにもないぼく。

「さむいね」

 口に出して初めて、ここはとても寒いのだと気づいた。ぼうっとせかいを眺めているこの間にも、真っ白でひんやりとした何かが、ぼくの頭、肩、足に降り積もってゆく。


 音がした。

「まっしろじゃなくなっちゃった」

 いつの間にか隣に立っていたきみは言った。

「そうだね」

 なにもないぼく。

「でも、綺麗だよ」


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