言いたいことはわかるけど

なあ、おい

お前の気持ちはわかるけど


もうそのぐらいにしておけよ


心配なのはわかるけど

真剣なのもわかるけど


さすがにちょっとしつこいぞ


なあ、おい

言いたいことはわかるけど


たまには俺の話も聞けよ


もう少しだけ信じてあげなよ

あと少しだけ待ってやりなよ


その内ちゃんとできるからさ

だって俺たちの子どもだろ


余計なこと言うなってか

うるさい黙ってろってか


でもなあ、おい

お前はそこまで言うけども


それが正論だとしても

できたら苦労はしないんだよ


正しいことを言ったって

傷つくこともあるんだぜ


防ぎようもない内側から

深く傷けたりもするんだぜ


お前は健やかで元気なら

それだけで良いって言ってたろ


背伸びなんかしなくていい

高望みなんてしなくていい


だって俺たちの子どもだぞ

ちょっとそこの鏡のぞいてこいよ


おい、おい

お前はまたそんな顔するけどさ


子どもはちゃんと見てるって


それが愛情だってことも

ほんとの優しさだってことも

お前が大切に想ってるってことも

お前が必死で頑張ってるってことだって


だからなあ、おい

こんな言葉じゃ足りないけど


「いつもほんとにありがとう」


コーヒー淹れてやるからさ

もっと楽しい話しようぜ?

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