第529話初音は責任を取って欲しい
「そーくんっ!」
「はいっ!?」
少女がこの家から出ていって結愛と霧響が食器洗いをし始めた瞬間に、初音が俺のことを俺の部屋に連れ込んで明らかに怒られる雰囲気になっていた。
「なんであんなに簡単に他の女に騙されてるの?」
「だ、騙されるっていうか─────」
「あんなの小学生でも騙されないよ?」
そんなに俺は騙されてたのか・・・?
「で、でももしかしたら本当にファーストキスかもしれな─────」
「だから重要なのはそこじゃなくてあっちから勝手にそーくんにキスしてきたのになんでそーくんが責任取る流れになってそーくんはそこでうろたえてたのってこと!」
「そ、それは・・・」
普通に女子にファーストキスを奪われたなんて言われてしまうとどうしても心が揺らいでしまうのは仕方のないものだと思う。
「・・・そーくんに一つ言っておくことがあるんだけど」
「な、なんだ・・・?」
嫌な予感しかしないけど今後引きずられるのも嫌だからここでしっかりと聞いておくことにしよう。
「私以外の女のことなんて大事に扱わなくて良いから、むしろ他の女がすり寄って来たら迷わず殺して?そうしてくれたら私が「頑張ったね」ってそーくんのこと褒めてあげるから」
人を殺して喜ばれるって・・・危ないにも程がある。
「こ、殺すって言うのはちょっと言い過ぎなんじゃ・・・?」
「・・・そんな甘い考えだからすぐに浮気しちゃうんだよ?」
「あ、甘い・・・?」
「さっきのこともそうだけどそーくんは優しすぎるの」
「・・・・・・」
「大体責任取るって何?なんで私に黙って浮気したりレンタル彼女をレンタルしたりしてる責任は一切取ってくれないのに他の女の責任は取ろうとしてるの?」
た、確かに言われてみれば・・・
「他の女のありもしない責任を取ろうとしてるぐらいなら早く私に責任取って欲しいんだけど?」
「そ、その責任の取り方っていうのは・・・?」
「子作り」
あぁ・・・はい、そうですよね・・・
「ま、まぁ、それはまた今度・・・な?」
「今度?レンタル彼女なんてレンタルしてたそーくんに選択権なんてあると思ってるの?」
「あー、いや・・・そ、そうだ初音!こ、今度2人で出かけよう!」
「・・・え?」
俺の突然の提案に驚いたのか、初音が疑問の声を漏らす。
これは俺が結構前に読んだネット記事に書いていた`彼女が不機嫌な時は良い事に意識を向けさせよう`作戦だ。
「ほ、ほら、俺も大分足治ってきたし、久しぶりに初音と出かけたいなーって」
「・・・・・・」
初音は少し黙り込んだ。
・・・こ、これはどっちの沈黙だ・・・?良い方なのか悪い方なのか・・・
初音は少しの沈黙を破り、口を開いた。
「うんっ!じゃあ明後日ぐらいにお出かけしよっ!どこが良いかな?」
ほっ・・・なんとか楽しいことの方に意識を向けることに成功したらしい、ネット記事さまさまだな・・・
その後俺と初音は明後日どうするかについて、少し話し合うことにした。
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