第422話初音は準備万端
俺はあゆに解放され、ようやく初音がいる2回に着いていた。階段は手すりがあるが、廊下にはそんなものはないので相変わらず這って進んでいる。
2階にも部屋がいくつかあるが、少しだけ物音がするので初音がいる部屋は一番奥の部屋だとわかる。
俺はその奥まで這っていき、部屋の中に入った。すると────
「そーく────」
「な、なんて格好してるんだ!」
初音は自分の服という服を脱いでいて、下着姿でベッドに座っている。
この部屋は別宅だからかシンプルに机とベッドしかなく、初音の着衣していたと思われる服は机の上に綺麗に畳まれて置かれている。
「照れなくてもいいんだよ?だってさっきそーくん言ってたもん」
「俺が・・・言ってた?」
「子供は要らないから、私だけを愛したいって」
「言ったけど・・・」
「で、私と性行為もしたいんだよね?」
そんなことは言ってないけどここで否定してしまうとさっきトイレで言ったことが嘘みたいな流れになってしまい、初音が逆上してくるかもしれない。ここは合わせておこう。
「そ、そうだな・・・」
「っ!だよね!だから、子供ができちゃわないように性行為しよ?もちろん準備はできてるよっ!」
「・・・・・・」
ま、まずいことになったな・・・この流れで断る方法なんてあるのか?
仮に何かしらの方法で断れたとしてもそれは問題の先延ばしにしかならない・・・いや、先延ばしでもなんでもいいからとりあえず今はこの流れを切る方法を考えよう。
「今はまだ────」
「ねえそーくん」
・・・初音の纏っている雰囲気が目に見えるかのように変わった。
「おトイレ行ってたんだよね?」
「・・・・・・」
さっき俺はトイレに行くから先に行っててくれと初音に言った、おそらくその時のことを言ってるんだろう。
「随分長かったねー」
「ちょ、ちょっとお腹下してて・・・」
「さっき私トイレ覗いたけどいなかったよね?」
「うっ・・・」
まさかトイレに確認しに行ってたとは・・・まあ確かにあゆとはかなり長い間話してたからそれも全然不可能な話じゃない。
「・・・本当にトイレにいなかったんだ・・・」
「えっ・・・」
見に行ったんじゃないのか・・・?
「そーくんを信じて待ってたのに・・・まさか本当に他の女のところに行ってるなんて・・・」
なるほど、俺を信じてあえてトイレには見に行かなかったってことか・・・その言い方は罪悪感がすごいな。
「で、でもちょっと話しただけで────」
「関係ないよ」
初音は俺のことを持ち上げ、背中が下になるようにベッドに押し付けた。
「罰として、そーくんの意思に関係なく犯るから」
「ぇっ・・・」
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