第244話初音の懺悔
「いえ、僕も偉そうなことを言ってしまい、申し訳ないです」
「・・・ところで、さっきから気になってたんですけど」
「はい」
これはもしかしたら言わない方がいいのかもしれないけどこの人は常に落ち着いてそうですし、ちょっと聞きたいことを聞くぐらい大丈夫ですよね。
「なぜ、`僕`って言ってるんですか?」
「・・・何がです?」
「だってあなた───ですよね?」
「えっ・・・!?」
私が気になっていたことを聞くと、その人は少し取り乱した。そして私はそれを見ながらこんな人でも取り乱すんですねと思いながら眺めていました。そして少ししたらその人は咳払いをし、会話を再開しました。
「何を言っているんですか、僕は───ですよ」
「え、でも─────」
「そーくんっ!」
お兄様の部屋のドアが勢いよく開いて、そこには不安そうな白雪さんがいて、お兄様の横に来て、お兄様の手を握って見せました。
「ああ、昨日の雨とお風呂上がりに私が話したから・・・いや、そもそも私が一緒にそーくんと登下校していたら・・・それだと調査が・・・」
白雪さんは一人でぶつぶつと話している。
「とにかくそーくんのことを看病しないとっ!」
白雪さんはキッチンまで走って行きました。おそらく風邪に効く薬とか食べ物とかを持ってくるんだと思います。
ー初音Partー
そーくんが学校に来なくておかしいと思って一時限目の途中で早退したけどまさか風邪になってたなんて・・・本当に失態。そーくんのしんどい時に私が隣にいなかったなんて。
「・・・最悪」
私がいたらそーくんに苦しい思いなんてさせなかったし大体昨日だって私が一緒に相合傘してたら私が濡れることなんてどうでもいいから傘のほとんどの部分をそーくんに使ってたのに・・・
「大体タイミングが悪いんだよね」
なんでこんな浮気調査なんていう今後の雌雄を決するようなことをしてるときに昨日は彩音がからかってきてしかも雨まで降って、それで今日は浮気調査のために私の方が早く登校してそのせいで私がそーくんがしんどがってることに気づけなかったし・・・
「あー、もう死にたい」
死にたいけど死んじゃったらそーくんに会えないからもし死ぬ時はそーくんも一緒に逝ってもらうけど、まだまだそーくんとしてないことも多いし、そういうことをしてからでも遅くはないよね。
「よしっ!」
とにかく今はそーくんがしんどがってるんだし、できるだけ早く助けてあげないと!お薬は───あった!
私は急いでそーくんの元にお水とお薬を持って行った。
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