第339話 サザンクロスから思考は発展して

「太陽って、星座にないわよね」


「え?」


「南十字星とか、うお座みたいに星が連なってできる星座の種類に、太陽を含んだものってないよね」


「そりゃ、星座は夜に見るものだし、昼にでる太陽は一つで、他の星とつなげようがないもの」


「でも太陽だって星なんだし、宇宙の観点でいけば、他の星とつながって神話がうまれそうじゃない?」


「まあ確かに天体観測の技術が進んだいまなら、そういうことができるかも」


「だよね。太陽が入ってる星座ってどんなのになるかなあ」


「とはいえ、太陽の存在が大きいから、それだけで一つの星座みたいなもんだけどね」


「!?」


「そんなことを言ったら、月もだけど」


「!?」


「なに、どうしたの。私、何か変なこと言った?」


「いや、星一つが星座と同等っていう発想がなくて驚いたの。そうだよね。人にロマンを与えてくれるのなら、つながってなくてもいいんだもんね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る