17冊目 『生きてさえいれば』

 皆さま、こんにちは。

 あさぎ図書館 館長の、浅葱あさぎ ひな です。


 この、あさぎ図書館 ☆異世界分館☆ では、館長であるわたしが、読み終えておもしろかった『本』を、皆さまにご紹介させていただこうかと思っております。

 ここ『カクヨム』ではない世界の物語たちを集めた……なので、異世界分館です。よろしければおつきあいください。


 午後のひと時に、素敵な1冊を……。




    『生きてさえいれば』

       著者名 小坂流加   カバーイラスト 白身魚

           文芸社


 この物語は……、

    文芸寄 ★★★★★♢・・・・・ ラノベ寄

 ジャンルは……、『恋愛』です。




★★あらすじ、感想などなど★★


 あらすじ……

 大好きな叔母・春桜はるかが、宛名も書かず大切に手元に置いている手紙を見つけた甥の千景ちかげ

 病室を出られない春桜に代わり、千景がひとり届けることで春桜の青春の日々を知る。  

 学内のアイドル的存在だった読者モデルの春桜。父の形見を持ち続ける秋葉。

 ふたりを襲う過酷な運命とは__?



 感想などなど……

 この物語の主人公・千景は、学校で虐めに遭っていた。闘い疲れて、人知れず訪れたのが、叔母が入院している病室だった。

 叔母のいつもと変わらない対応に安堵する千景。

 その日、そこで、叔母の大切な人に宛てた手紙を見つける。しかし、その手紙には宛名も書かれていない。聞けば、ふたつの宛先。そのどちらに出したらいいのかわからない……と言う。

 その手紙を、叔母の目を盗むようにして手にする千景。叔母が、未だに想う人のもとを訪ね、この手紙を届けようと決心するのです。

 

 きっと、千景も、叔母に対して恋ごころを抱いていたのかもしれません。

 千景のほかにも、一方通行の恋ごころを抱えた人たちが、この物語にはたくさんいました。ふたりの過去の話の中では、春桜も秋葉に対して一方的に好意を抱いていただけでしたし……。当時の秋葉は別の女性に夢中になっていました。

 そこに絡んでくる、嫉妬や羨望、独占欲、自己顕示欲。そして、歪な愛情。

 ただ、そんな中、春桜の言葉で秋葉の目が彼女に向かうようになります。しかし、ふたりで乗り越えようと思った矢先、過酷な運命を告げる連絡が……。

 あ、未読の方の楽しみを奪ってはいけませんので、これくらいで……。


 さて、17冊目は、『恋愛』です。

 文芸社文庫NEOというレーベルから刊行されてます。『余命10年』を書かれた作家さんの別の物語と言えば、ご存知の読者さまも多いはず。

 残念なことに、これ以降、新作がでることはないのでしょうね。『小坂流加』という作家さん、4年ほど前に亡くなられてる……とか。本当に残念でなりません。

 この物語、春桜と秋葉の過去の思い出は、読んでいて辛かった。他の親族たちがふたりを引き裂いていくのです。そうなった原因も納得できるのは物語だからこそ。

 だから、ラストシーンが、とても素敵なのでしょうけど……。

 

 今回も、これ、読んだよ〜 とか、これ、おもしろいよね〜 とか、皆さまとお話できると楽しいかな? なんて思ってたりします。

 なので、コメントなど残していただけると嬉しいです。

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