第49話 イベントが始まる

 

 サービス開始から14日目。ようやくUWWO初めてのイベントの日がやって来た。イベントのために急いでスキルの熟練度を上げて、敵も倒しまくった。

 ただ、LVは1しか上がらなかった。LV上げ中に気付いたのだけど、どうやら首に攻撃するとかの弱点攻撃による1撃殺は殆ど経験値にならないらしい。試しに弱点を狙わないでプラインウルフを倒したらあっさりLVが上がった。


 確かに経験値と言う以上、戦闘の経験を値として表しているのだから、碌に戦わずに一撃殺していれば戦闘の経験とは言えない。だから、沢山敵を倒してもLVは上がらなかったと言うことなのだと思う。


 それとウエストリアから帰ってくるときに倒したレッドNAMEに関して、アナウンスで賞金が出たとか言っていたからギルドの金庫を確認したらものすごい額が振り込まれていた。明らかにあのプレイヤーの実力にそぐわない金額だったけど、それだけ悪質なプレイヤーだったと言うことなのだろうか。


 とりあえず、想定外にASが手に入ったので、いろいろ買って【錬金】と【調合】で実験をしてみた。まあ、【調合】に関してはあまり成果が無かったけど、【錬金】はいろいろ良い物が出来た。


[(アイテム)人工血液 Ra:Uc Qu:B Du:110/110 SAS:2900]

 獣と魔物の血液を基に作られた人工血液。人工の血液ではあるが、人類種に合わせて作られたものではないため輸血に使うことは出来ない。追加で使われたアイテムにより時間による耐久の劣化が発生しない。また、作成者のMPが多量に含まれているため、作成者以外が使用することは出来ない。MPを含ませることで耐久を回復させることが出来る。

 作成者:アユ(秘匿)


 まあ、こんな感じのが出来た。これでリスポーンしてもブラッド用の血液が消えることは無くなった。そして、Quの低かったやつを水筒と同じようにやってみたら3倍濃縮人工血液になったので、今腰に付いている水筒にはQu;Bの3倍濃縮人工血液が入っている。ついでに水筒もさらに圧縮してみたのだけど、こっちは3倍圧縮を3つ使ったのに5倍圧縮にしかならなかったので、もしかしたら今はこれが限界なのかもしれない。


 いろいろスキルも上がった結果大分ステータスも上がった。今はこんな感じ。


『ステータス

 NAME:アユ

 RACE:ヴァンパイア(純血)

 LV:17/30

 JOB:見習い錬金師94%

 BC(Belonging Country:所属国):なし

 所属ギルド:総合ギルド(E) G(1):80・F(2):96・E(4):0 (322) 

 ・ウエストリア-2-3(北)エリア通行許可 ・岩腕のゴフテス初討伐(30) ・蹴撃のオルグリッチ初討伐(20)

 HP:450(0)(0) +15+60

 MP:590(0)(0) +20+120


 STR:94(1)(0) +3+23

 VIT:132(52)(9) +2+17

 INT:185(3)(27) +3+61

 MND:165(16)(18) +2+60

 AGI:97(10)(0) +4(STP2)+30

 DEX:190(3)(27) +1+102

 LUK:100(6)(9) +4(STP4)+31

 STP/SKP:2/92

 *二つ目の+はスキルによる上昇分 2つ目の()はJOBによる補正値


  装備

 メイン武器:3倍濃縮人工血液2000ml

 サブ武器:初心者のナイフSTR+1

 生産装備:初心者の錬金板

 頭:森影狼のイヤリングVIT+2 INT+2 MND+3

 胴:薄影色の皮鎧VIT+12 MND+8

 腕:制御の指輪INT+1 DEX+3

 腰:薄影色の長ズボンVIT+6 MND+4 AGI+2

 脚:薄影色のブーツVIT+4 AGI+8

 アクセサリー(3/3):幸運の腕輪LUK+6 VIT+4

 ルビーとサファイアの指輪(劣)VIT+1 MND+1

 岩陰色のコートVIT+23


 装備効果:火属性・水属性耐性(小) 幸運(微)  斬撃耐性(微)2 土属性付与(小)  影属性強化(小)(微)2 隠蔽系強化(小)(微)2 フードを被った際に認識阻害(微)  認識阻害(微)2 MP制御能力増加(微) MP制御補整(微)  風属性耐性(微) 静音(小)


  スキル

 戦闘:短剣術72% 血魔術91% 闇魔術81% 毒魔術64% 影魔術47% 投擲12% 縄術21%(3)

 補助:血統魔法42% 身体能力向上(微)96% HP自動回復(微)44% 上級隠蔽3%(5) MP自動回復量増加(微)63% 弱点特効31% MP操作能力向上(微)87%

 生産:錬金94% 調合37%

 その他:日光脆弱8% 生活魔法16% 鑑定46% 感知71% 採取66%


  称号(タイトル)

【世界の不思議を初めて発見した者】【ゾンビアタック】【ネームドモンスターの初討伐者】【ネズミスレイヤー】【ジャイアントキリング】【サバイバー】【セントリウスの初到達者】【働かざる者(無効)】【プレイヤーキラーキラー】【隠蔽する者】

 

 所持金:8129AS ギルド預け金:1066000AS 』


 あのゴリラを倒した時から考えるとかなりステータスが上がっている。それと使える血液の量が増えたので【縄術】を取得してみた。敵の拘束とかに使えないかとなと思って取得したけど、まあ予想通り出来はしたけど熟練度が低いからそんなに長い時間拘束できないといった結果になった。


 そして1番注目するところは【隠蔽】の熟練度が最大になって2次スキルになった所だ。普段から意識して使っていたから他のスキルよりも早く上がったのだと思うけど、出来れば別のスキルももう少し上がって欲しかった。


 それと、2次スキルにあげる時にSKPが必要になることを初めて知った。【隠蔽】は【上級隠蔽】にするのに5必要だったけど、他のスキルがどれくらい必要なのかがわからない以上下手にSKPは使えなくなってしまった。


 まあ、熟練度が軒並み上がってSKPもそれなりにあるから直ぐには困らないと思うけど、自動回復系のスキルは取得に使ったSKPが多いから2次になる時にどれだけ必要になるのか。


 少なくとも【隠蔽】を2次スキルにあげる時に使ったSKPが元の2.5倍だから、おそらくSKPは20以上必要になると予想している。なのでそれが問題なく出来るように最低でも50はSKPを残しておかなければならないと言うことなのだ。まあ、自動回復系のスキルはまだ2次になるほど熟練度は上がっていないので直ぐに必要になると言うことは無いはず。



 そろそろイベント開始の時間になる。使わないアイテムとかは事前にギルド倉庫に預けてあるし、回復用のアイテムもしっかり持った。イベント中に倒した敵からも素材なりアイテムなりが手に入るらしいので、出来るだけインベントリの中は少なくしておきたい。


 ≪イベントアナウンス

 イベント開始、30分前になりました。現在地に合わせたイベント空間内のセーフティーエリアへの転移が可能になります。準備時間内であれば通常エリアへ戻ることが可能ですが、イベントが始まった後に通常エリアへの転移は基本的に不可能となります。それを理解した上でイベント空間への転移を開始してください。またイベントへの参加を申請した状態でイベント開始時にイベント空間内に居なかった場合は、ランダム転移した上でイベント参加による武器等の耐久値の回復は無くなりますので、お気お付けください≫


 あ、イベントエリアが開いたようだ。

 私はもう準備は終わっているし、さっさと移動しても問題は無いのでイベント用のウィンドウを開いてイベント空間への転移を選択した。



 周囲の空間が入れ替わってイベント空間のセーフティーエリアに飛ばされた。まあ、飛ばされたという感覚は無いのだけど、視界的には周囲が高速で動いていたから脳がそう認識したと言うことだと思う。


 時間は真夜中? 空が暗い……というか周りに誰もいない。UWWO初めてのイベントだから私みたいに早く準備を済めせて直ぐ入ってくる人が居ると思っていたのだけど、違ったの?


 ん? いや、そういえばイベントアナウンスで現在地に合わせた場所に転移って言っていた。と言うことは、どれだけここに来ることになる? そもそも、今までセントリウスでプレイヤーらしき人はまだ見ていない。そろそろ来るとは思うけど、少なくとも今は見ていない。と言うことは、ここに来るのは私だけの可能性がある?


 イベントなのに周りに誰もいないと言うのは少し寂しいと思うけど、逆に周りに他のプレイヤーが居ないと言うことはそれだけ倒す敵を独占できると言うことになるから、その点は良かったと言うことになるよね。


 ……手持ち無沙汰。やることが無い。早く来たからわかっていたことだけど、予定は他のプレイヤーの装備とかを見て時間を潰そうと思っていたのだけどそれが出来ない。うーん、イベント用の掲示板でも見てみようかな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る