僕は人になりたかった
雨空 凪
opening
誰かが世界を変えたなら、
その人は本当に世界を良い方に変えたのだろうか。
その人にとっての良い方とは僕にとっての悪い方だったのではないだろうか。
それとも僕が人ではないからそう思ってしまうのだろうか。
僕は暗い中で考えた。
周囲を包む漆黒が僕の考えを一つ一つ消していく。
僕は漆黒に考えが呑まれないように考え続けた。
漆黒の津波のような何かに抗った。
僕の考えがまとまるその瞬間まで、
たくさんの恩人たちが生きた世界にいたかった。
僕はそれをすることができた。
永遠を持っていた。
それは今も同じだ。何も変わりはなかった。
たった一つ変わったのは、、、、。
僕が選んだことだった。
そうだ。
僕は何も変わっていない。
僕がずっと変わらないのは、
「僕がーーーーーーーーーーー」
その呟きを最後に僕は漆黒に呑まれてしまった。
それでも、幸せが僕を包んでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます