猫の探偵社

雨空 凪

opening

「今年の呼び起こしはどうなっている?」

この部屋の中心にいる人物はそう言った。

すると、この人物の目の前に控えている二人組が答えた。

「つつがなく進んでおりますが、、、。」

「が、なんだ?」

答えた二人組の終始表情を変えない方が、中心の人物に切り返されたのを見て、どう話せば良いものかと思案するように隣のもう一人の方をちらりと見る。それを見てもう一人の方が、

「古より危険人物だと伝わっている者が居りますゆえ、その者だけ別の方法で呼び起こすのが肝要かと話しているところであります。」

と中心の人物に告げる。中心の人物は、

「奴らか、、、。例年通り、しかと処置を行え。良いな?」

と、冷静に二人組に言った。二人はこの人物の命令に

「承知しました」

とだけ答え、頭を下げてこの部屋を出た。

こうして、とある危険人物が呼び起こされることになった。


それは、歴史の悲劇のために危険とされてしまった人物である。

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