第2話 クマックマにご注意を

「よっしゃぁ…解放されたし、久々に現界させますか!」


 俺はそう言うと手に意識を向け始める。なぜかというと、そうすることでとある武器…俺のスキル【宝具生成】で作った武器を出すことができるのだ。


 ちなみに前のパーティーメンバー全員の武器も同じように俺のスキルに格納されているが、おそらく…感だがまぁ使う機会が来るだろう。



「出でよ!【神界禁忌 ユーネットホルン】。っ久しぶりすぎて重く感じちまうな…。」


 俺はそう言いながら丁寧に【神界禁忌 ユーネットホルン】と呼ばれる剣の柄を持つ。スキルによって生み出された【宝具】は、そういう名前になって俺の手に出現する。


 というか…最後に使ったのはいつだろうか。まぁ魔王戦まで使わないって決めていたから、半年経っているのか?

 まぁ中々使うことが無かったからか、重すぎるように感じてしまうな。







「久しぶりにあれでもやってしまおう!  


 俺がそう言った瞬間、風は吹き荒れ樹々はざわめき始めた。おそらく高密度の魔力を俺の周りで練り上げているのだろう。


 そして俺の頭上に… 魔法陣の中でもでかい大型魔法陣が出来上がる。

 。魔法陣は大きな光を放った瞬間に、それを全身全霊でぶっ放した。すると周囲の魔力の量が急激に減少したのか、を使うために俺の体内の魔力まで持っていった。



「うん…やはり強いわ。ちゃんと鞘に治そう。」


 俺は【大魔法具 神符 オルレアンウェイ】によって崩壊してしまった山を見て言った。どうやら高密度に練り上げすぎたらしい…そのためか、きれいに円形の巨大な穴が中央部に開いており、そのうち崩れそうな感じである。


 恐ろしいな…【大魔法具】は____________________


 そして俺は丁寧に【神界禁忌 ユーネットホルン】、愛剣を丁寧に鞘へ戻したその時だった。




『GUEEA!』


 なんか聞き覚えのあるモンスターの声が辺り一体に響き渡る。どうやら魔王のせいで活発化してしまった魔物がいるらしい、早めに倒さなければ犠牲者が出るほどだろう。



















 俺は颯爽と走り始めると森の中へ突入する…地面をずっと走っていくよりは木の上の方が奴と戦うのに有利なはずだ。声の発生源に向かうとそこには巨大なモンスターと折れた剣を持つ少女が1人怯えながら対峙していた。


「こ…こないでよ、い…いやだ…。」


 少女は怯えながら短刀を握りしめ、モンスターに対峙する。だが、少女の短刀は刃先が折れていてとても使えものになるとは思えない長さだ。


「G UEEA!」


 モンスターは飢えているのか、少女が怯える姿を見るや否や襲いかかる。俺はそれを防ごうと前に出て体を張ってせめてでもこの少女だけは守ろうと誓う。




「やはり…お前だったか、【クマックマ】。中々でかいなぁ…この個体は何を食ったらっ。」


 俺がそう言っているとクマックマは巨大な腕をこちらへと振ってくる。

 俺はすぐに喋るのをやめ、回避行動をとる。勇者パーティーでなれたからな、こういうのは。

 どうやらどちらが上なのかわかっていないみたいだ。


「ふぅ…危なかったなぁ、でもお前腕落としたから捕食できねえぞ?」


 俺がそう言い放った瞬間綺麗に断面ができ、切れ落ちて行った。

 俺は喋りながら【宝具】を構えていたのだ、そして瞬時に切り落とす。

 クマックマはどうやら驚いたようで、


「KYU EE!」


 大声で一言言うと俺に向かって突進をしてくる。どうやらその少女と俺を食べるつもりなのだろう、しかし俺とあいつでは差がありすぎた…勇者のパーティーに入っていたから俺はこう言う討伐も経験済みだ。


 その数 200回___



「【大魔法具 神符 オルレアンウェイ】!おりゃぁっ!」


 俺がそう言った瞬間【神界禁忌 ユーネットホルン】は光を放ち魔法陣を展開…クマックマは何かを察し逃げようとしたがもう遅い、


 こっちの方が早く捕らえていたからだ。

 そして当たった瞬間、体がどんどん溶けていくように崩壊していくと、最終的には血溜まりしか残らなくなった。


「まぁ、あっけなかったな。」


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