のんびり楽しい移転生活

桃之井 深泉

第1話 のんびり楽しい移転生活

日本にて


紅葉真っ盛りの山道をのんびり走る一台の車

前方に真っ黒な霧を見つけて、路肩に車を止

めてハザードランプをつける、霧は車に向か

い埋め尽くして消えると、車も消えていた。


山口日色は、母の介護の日々が終わりこれか

らは、楽しい老後を送るつもりが突然のガン

宣告。


生まれながらの障害者で、杖を使わないと

満足に歩けないので家族もなし、ただ友人

や従兄弟を始めとする人には恵まれたと。


何でだ、安全には充分注意をしてきたのに、

黒い霧がこちらに迫ってくるなんて、ついに

は意識も途絶えてしまっていた。

黒い霧が晴れるとそこは、白い霧の世界で、

老人と少女の様な二人が、

土下座で膝まづき、


「この度はどうも、申し訳ありませんでし

 た」

「神々が油断した隙に次元の狭間ができてし

 まい貴方がそこに、落ちてしまったのです

 残念ながら元の世界には戻れません」


「こちらに小さいですが、マインセル王国と

 という、安全で楽しい所がありますので、

 そこに、転移して頂きたい、よろしくお願

 いいたします」


[本当に申し訳、有りませんでした」


しょうがないか?帰れないんだし、死ぬこと

も無いんだから、神様の言う通り、のんびり

楽しい移転生活でも、送ってみようかな。

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