【LIP×LIP誕生日記念 特別書き下ろしストーリー】

HoneyWorks・香坂茉里/角川ビーンズ文庫

<スタートライン>



涼海すずみさん、うちの学校に来ない?』

 

 桜丘さくらがおか高校で陸上部の顧問をしているという先生に、そう誘われたのは中学最後の試合が終わった日のことだった。全国十位に入るという三年間を通して掲げてきた目標は達成できず、落ち込み気味に帰り支度をしていた時だ。

 ひよりが通っていた中学で、陸上を教えてくれたのは顧問の山崎やまざき先生だ。その山崎先生の大学時代の知り合いらしく、ひよりのことを聞いてわざわざ試合を見にきてくれたらしい。だが、桜丘高校というのが東京にあると聞いたひよりは、すぐに話をのみ込めなくてポカンとしていた。


 東京の高校に通うなんて、それまで考えたことはなかった。他のみんなと同じように、地元の高校に進学するのが当たり前だと思っていたから。

 ひよりが住んでいる場所は、正直言って『田舎いなか』だ。選ぶほど高校があるわけではない。試験はあるものの、定員割れしているためほとんどの生徒が合格する。

 その地元の公立高校には、陸上部がなかった。もともと部活がそう盛んな高校ではないのだ。やっていてもクラブ活動程度。指導してくれる先生もいないと聞いている。だから、高校に入っても陸上を続けることは難しいのだと、半分あきらめていた。

 

 もちろん、陸上は続けたい。中学三年間、ひたすら部活に打ち込んできた。それしか取り柄がなかったからというのも理由だが、なによりも走るのが好きだった。けれど、東京は遠い――。『考えてみて』と言われたものの、とてもではないが無理だろう。最初から選択肢は一つだけ。そう思っていたのに、志望校を決めなければならない時期になってもまだ心を決められないでいた。


 学校の昼休み、ひよりは机に突っ伏して小さく唸る。

 向かいに座っている親友の白川里江しらかわさとえは、サンドイッチをパクッと頬張りながら目を丸くしていた。

「どうしたん、ひより。お弁当食べすぎてお腹痛くなった?」

「ううっ~~里ちゃーんっ。うち、どうしよう~~」

 ひよりは両手で頭を抱える。クラスのみんなはもう願書も提出したと聞くのに、ひよりはまだ進路のことで悩み続けている。おかげで、胃までズーンと重くなったような気がした。お弁当も特大のおにぎり二つと、エビフライが入っていたが、食欲がなくてパセリを残してしまった。

「まだ、悩んでたの? 東京の学校のこと……」

「悩むよ~~だって、東京だし……東京なんて、地球の裏側くらい遠いもん!」

「大丈夫。ひよりなら、頑張れば走ってでも行けるって~!」

「いくらなんでも、それは無理だよ……」

 ひよりはノソッと頭を起こして答える。

「飛行機なら、二時間かかんないんじゃない? バスなら十時間以上かかるけど。思ってるより近いかもよ」

「飛行機乗るお金なんて、もっとらんよ……」

「ほんと、なんでこんなに世知辛いんだろね~。あたしもお金があれば、東京とか大阪のライブに行けるのになぁ……」

 ひよりと里江は、「「ハァ~」」とため息を吐く。

(やっぱり、あきらめるしかないんかなぁ……)

 親にもまだ、桜丘高校のことは話していない。きっと地元の高校に進学するものだと思っているだろう。三者面談の時も、母はすっかりそのつもりのようだった。

(東京の高校に行きたいなんて言ったら、おじいちゃんもおばあちゃんも腰抜かしそうだし……お父さんなんか絶対、雷落とすよ……)

 ひよりは「絶望的……」と、また机に頭をのせる。

 もう悩んでいる時間はそうない。担任の先生にも呼び出され、『どうするんだ。早く決めないと推薦を受けられなくなるぞ』とせっつかれたばかりだ。

「そうだ。勝手に受験しちゃえば? 合格しちゃえば、こっちのもんでしょ!」

「……どうやって東京で暮らしていくん?」

 顔をあげてきくと、「それが問題だよねー」と里江は腕を組む。高校生のアルバイトだけで、家賃や生活費、それに学費を払っていくのは相当に難しいだろう。

 できないわけではないだろうが、そうなれば肝心の陸上をやっている余裕なんてなくなってしまう。それではわざわざ、東京に行く意味がない。

「でも、陸上やりたいんでしょ?」 

「それはそうだよ。頑張ってきたし……まだ全国十位以内の目標あきらめてないもん」

「目指すは日本代表の選手?」

 頬杖をつきながら、里江がからかうようにきく。

「そこまでは調子にのってないけど……でも、走るのやめたくないし」

 部活に入らなくても、走ることはどこでもできる。きっと両親はそう言うだろう。それはわかっている。本人のやる気次第だ。

 桜丘高校の先生に誘われなければ、東京に行くなど考えもしなかった。こんな風に迷うこともなかっただろう。そういう意味で、あの先生の誘いは罪作りだ。

「じゃあ……思い切って行ってみれば?」

「簡単に言わんでよ~~」

「だって行きたいって思ってるんでしょ? 顔に書いてあるよ。ひより、わかりやすいんだから」

「思っとらんよ。東京なんて……こわいし。人がいっぱいだし。一人ぼっちで友達もおらんし……道だって全然わからん。きっと迷子になって、街中で遭難そうなんするよ……」

「友達なんていくらでもできるじゃん。ひよりならさー」

「でも、里ちゃんみたいな親友は一生できん」

 起き上がってボソボソとした声で言うと、里江は笑って頭に手を伸ばしてくる。ボブの髪をクシャクシャにされた。

「嬉しいこと言ってくれるなぁ。ひよりは」

「決めた! 里ちゃんと同じ高校に行く。他の高校には絶対行かん! もう、断る!」

 迷いを振り切るように大きな声をあげると、「あはははっ」と里江が楽しそうに笑った。それから、彼女はふっと真面目まじめな表情になる。

「でも……やっぱりさ。ひよりは東京に行きなよ」

「えっ……」

「こんななんにもない田舎にはもったいないって。陸上部の星なんだからさ。東京、きっと楽しいよ?」

「里ちゃん……」

「ひよりが選んだらいいよ。ひよりのことなんだもん」

(うちのこと……か)

 迷う表情をしていると、「はい」と里江がバッグからお菓子のパックを二つ取り出す。

「どっちにする?」

 そう言うと、彼女はそのパックをひよりに見せてニッと笑った。

 イチゴ味とレモン味のチョココーティングがされているお菓子だ。ひよりは、「うーんっ」と悩んでから両方の箱から一本ずつおかしを取り出す。

「どっちもうまそ~!」

 そう答えて笑うと、二人は一緒になってパクッと頬張った。


*** 


 授業が終わり、校舎を出ると曇り空が広がっていた。

 東京の高校――。

 ずっと地元にいるのが当たり前だと思っていた。家を出て、別の場所で生活する自分の姿なんて想像できない。

(やっぱり……無理だよ、里ちゃん……)

 ひよりはうつむきがちに、トボトボと歩く。都会で一人暮らしをしながら、高校に通う。それは今の自分には、非現実的な未来だ。それがどれほど大変か、難しいか、考えただけでわかる。

 行きたい気持ちがどれほどあったとしても――。

 

 校庭から元気のいい声が聞こえて、足が止まった。練習しているのは、野球部と陸上部の部員たちだ。ひよりたちはもうとっくに引退しているから、今練習しているのは後輩たちだ。

 この三年間、当たり前だった放課後の練習――。

 授業が終わるとすぐに着がえて校庭に出ていた。

「楽しかったなぁ……」

 ひよりの口からポロッとそんな言葉がこぼれる。

 夢中になって、練習に打ち込んでいた自分の姿が後輩たちの姿に重なった。

 地元の高校に通っても、それなりに楽しい学校生活は送れるだろう。里江や他の友達も、みな同じ高校に進学する。知り合いがいない不安を感じることはないはずだ。

 それはわかっているのに、心がどこか浮ついてしまっている。

 東京の高校に行きたいと思う気持ちが、どうしても捨てられないからだ。

 桜丘高校なら、陸上部もあるしきちんと指導してくれる先生もいる。また、陸上を続けられる。

 ただ、都会の華やかな雰囲気に憧れているからだと言われてしまえばそうなのかもしれない。

 ここにないものが、東京にはたくさんあるだろう。地元ではできないことも、そこならできるかもしれない。

 無理に決まっていると思いながらも、その先にまだ見たことのない世界があると思うとジッとしていられないほどウズウズする。

(でも、うちにできるんかな……)

 そのために、乗り越えなければならないハードルは多いだろう。両親を説得することもそうだ。

「あっ、涼せんぱーいっ!!」

 後輩がひよりに気づいて、大きく手を振っていた。

 校庭に出ると、ひよりは練習している陸上部のみんなのもとに向かう。

「涼せんぱい、もう帰っちゃうんですか? 一緒に練習しましょーよ!」

「そうしたいけど、うちは引退しちゃったからなぁ……」

 ひよりが困った顔で笑うと、「えー」と後輩が不満そうな声をあげた。

「練習見るだけでもいいから! OGとして!!」

「うーん……じゃあ、最後に一回だけ走ろうかな……」

 ひよりは顎に手をやって考える。

 これが本当に、中学最後だ。

「あ、じゃあ、私がタイム測ります!!」

 二年の後輩が、ストップウォッチを見せて言った。ちょうど、他の部員たちも短距離の測定をしていたのだろう。


 スタートラインに立つと、ひよりはスーッと息を吸い込んでゴールを見る。

 ゴールラインでは、後輩の子がストップウォッチをかまえていた。

 ユニフォームもジャージも持ってきていないから、制服のままだ。他の部員たちはベンチの側で計測を見守っていた。

 地面に指をついて、クラウチングスタートの体勢を取る。

 クイッと顔をあげて正面を見据えると、心臓の音が緊張したように少し速くなった。

 スタートの笛の音と同時に地面を力強く蹴って走り出す。


 今だって、十分満足している。

 親友も、友達もいる。母の作るご飯も、お弁当もおいしい。祖父はこっそりお小遣いをくれたりもするし、祖母は裁縫が得意で今年も浴衣ゆかたを作ってくれた。父もたまに釣りに連れて行ってくれたりする。弟や妹たちの面倒を見たり、一緒に遊んだりするのも楽しい。

 フワフワのパンケーキが食べられるオシャレなカフェもない田舎だけど、夏祭りには夜店も出るし、小規模だが花火大会だってやっている。

 ここにいたって、きっと楽しい毎日はある。


 都会に出ても心細い思いをするだけだ。一人暮らしをするのは、思っている以上に大変だろう。友達も知り合いもいない。東京の学校のみんなとうまくやっていける自信はない。恥ずかしい思いをして笑われるかもしれない。


 でも――。

 そこにはきっと、知らなかった広い世界がある。


 ゴールラインをすぎて足を止めると、ひよりは深く息を吸い込んで空を見上げる。

 空をおおう濁った雲の切れ間から、うっすらと日が差していた。


(あきらめるのは、やってみてからで遅くないんかも……)

 

***


 休日、ひよりは湖畔にある公園で里江と待ち合わせていた。一緒によく遊んだ場所だ。水面が夕焼け空と同じ色に染まっていて、風が吹くとわずかに水面が波打つ。

 二人でベンチに座ると、ひよりは意を決して口を開いた。

「あのな……里ちゃんっ」

「うんうんっ、そっか~」

 腕を組んだ里江は先回りするように言って、大きく頷く。

「うち、まだなんも言っとらんよ~!」

 びっくりして言うひよりを見て、彼女はニッと笑った。

「ひよりの言おうとしてることなんてお見通しだよ。だって、顔にぜーんぶ書いてあるもん。東京、行くって決めたんでしょ?」

 里江を見つめていたひよりは、潤んできた瞳をあわてて手で擦る。

 さすがに親友だ。それとも、彼女の言うとおり自分がわかりやすすぎる性格だからだろうか。

「ごめん……里ちゃん。同じ高校、行きたいって思ったのは本当なんよ!」

 裏切るみたいな気持ちになって胸が痛い。ひよりはうつむいて、ベンチに置いた手を強く握った。

「うーん…………でも、やっぱりダメ!! 反対!!」

 里江は正面を向いたまま、声を大きくする。

「里…………っ」

「だって、ひよりはあっちの学校に行ったら、楽しくなってうちらのことなんて忘れるかもしれん」

「そんなこと絶対ないって。うちの一番の親友は里ちゃん以外におらんよ。この先もずーっとそうだもん。忘れんし、毎日連絡もする!」

「……そんなこと言って、彼氏とかできたらどうするの!?」 

「かれしぃぃぃぃぃ~~~!! そんなん、できんし!! ないないっ!」

 ひよりは大きな声をあげ、手を左右に振った。

「都会にいったら、わからんよ。イケメンがわんさかいて……よりどりみどりのタイムセールみたいになってたらどーすんの!?」

「えっ、ど、ど、どうしよう……わからんっ……」

 ひよりは困って、人差し指と人差し指を合わせながら声を小さくする。

「やっぱり、ひよりは友情より恋を選ぶつもりなんだ……うちとのことは遊びだったんよね……っ!」

 そう言いながら、里江はバッと両手で自分の顔をおおう。

「そんなことない、うちの気持ちは里ちゃん一筋!! 浮気は絶対せんよ!!」

 ひよりは真剣な顔になって、ドンッと自分の胸を叩いた。そんなひよりを、里江はチラッと指の隙間から見る。口もとが我慢しきれなくなったように緩んでいた。

 里江が肩を小刻こきざみにふるわせて笑い始めたので一緒になって笑う。

 二人とも、「あはははっ」とお腹を抱えて大きな声をあげた。

 涙がこぼれそうになり、あわててはなをすする。

 この場所で、よく里江と座って日が暮れるまでおしゃべりをした。

 大会でいい成績を残せず落ち込んだ時も、この場所で一緒に泣いた。来年も、再来年もきっと一緒にいられると思っていたのに。

 心が迷いそうになる。あんなに悩んで決意をしたはずなのに。

 笑い声が小さくなり、ひよりはうつむいた。その肩に重みがかかる。

 横を見ると、里江がもたれかかっていた。

「里ちゃん……」

「がんばれ、ひより。迷うな」

「うん……」

「ひよりなら、大丈夫。たくましいもん」

「そうかな……」

「どんな過酷な環境でも最後まで生き残れるよ」

「うん……なにがあっても負けんよ!」

「ひよりの親友の座は、誰にも譲らんからね!」

「うん……一生、一番の親友は変わらんよ!」

「彼氏できたら写真見せてな。絶対よ!」

「きっと……できんと思う……っ!」

 ひよりと里江はお互いに涙ぐみながら、見つめ合う。

「ひより……」

「里ちゃん……っ!!」

「もーっ、こうなったら今日はお菓子のやけ食いするよ。付き合ってもらうから!!」

 里江はそう言うと、リュックを開いてひっくり返す。バサバサと膝に落ちてきたのは、お菓子の箱だ。先日、里江がくれたものと同じイチゴ味と、レモン味の二種類だった。

「うわっ、里ちゃん、なんでこんなにいっぱい買ってるの~!?」

「なんと……応募券十枚集めると、サイン入り色紙が抽選で当たるんよ! たった二名様だけど……」

 真顔でそう言いながら、彼女はグッと握り拳を作る。それから、パッとひよりの両手をとった。

「消費するの手伝って~~。食べても食べても、なくならんのよ。イチゴ味とレモン味の無限ループで……お小遣い全部突っ込んで箱買いしたから。でも、サイン入り色紙ほしいし!」

「えええ~~っ、サイン入り色紙!?」

「ひより、どっちから食べる? 選び放題だよ!」

「うち……チョコバナナ味のほうよかったなぁ……」

「チョコバナナ味には、残念ながら応募券はついとらんのよ……」

 お菓子の箱を開けて、二人はお菓子を頬張る。

 湖畔の彼方に浮かんでいた夕日が、ゆっくりと沈んでいった。


***


 卒業を迎えた日――。

 ひよりは卒業証書とバッグを手に校舎を出ると、校庭に足を向けた。三年間、練習した校庭だ。

「ありがとうございました……」

 小さな声で言って、ペコッと頭を下げる。

 その時、「ひより~」と里江の声がした。駆け寄ってきたのは、陸上部の仲間だ。みんな勢ぞろいしている。

「よかった~~先に帰ったんかと思った!」

「里ちゃん……それにみんなも、どうしたん?」

「ひより、東京に行っちゃうし……だから、これ。うちらからの餞別せんべつ!!」

 里江がそう言って差し出したのは、白い箱だ。戸惑いながらそれを受け取ったひよりは、箱にかかっているリボンを解く。

 開いてみると、中に入っているのは真新しいスニーカーだ。

 思いがけない贈り物に驚いて、みんなの顔を見る。

「これ……」

「ひよりはうちら陸上部の期待の星だから!」

「うちらのこと絶対忘れんでよ!!」

「連絡してよ~、絶対だよ!?」

 みんなが照れくさそうに笑いながら、口々に言った。

 思わず瞳が潤み、ひよりは目頭を片手で押さえる。胸が詰まり、言葉がすぐに出てこない。

「もーっ、泣くなーっ。うちらも我慢してたのに~!!」

「里ちゃん、みんな……ありがとう! うち、みんなと一緒に走れて、陸上部に入ってよかった……」

「ひより……お小遣いためて東京に行くけんね……ユウジロー様と、アイゾー様に会いに!!」

 里江が涙ぐみながら、ギュッと抱きしめてきた。

「誰それ!? うちにじゃないの~~~!?」

「もちろん、ひよりにも会いに行くって。ライブがある時には泊めてな!」

「うん……わかった。待ってる! なんのライブかよく知らんけど……」

 涙を拭い、ひよりは笑顔になる。みんなが「うわーんっ!」と、泣きながら抱きついてきた。


 知らない場所。知らない人達。でもきっと、また新しい出会いがあるから。

 勇気を出して、走りだそう――。


(うち、絶対頑張るよ……)


『みんな……行ってくるけんね!!』


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