――――ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。

神崎

第1話―――ポク。ポク。

ある夫婦が死んでしまった。

猟奇的殺人鬼たちに殺されてしまったのだ。それはとても凄惨な殺人事件だった。犯人たちは幼い姉弟の目の前で、両親の解体劇を繰り広げたらしい。

そんなものを見せられた挙句、残された幼い2人の姉弟は、さぞかしつらいだろう。いや、その出来事を夢だと思っているだろうか。




とても静かな空間。


お坊さんが木魚を叩く音だけが響く


―――ポク。ポク。


――――ポク。ポク。ポク。ポク。


―――――――ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。ポク。






―――ゴキッ。


弟はお坊さんの頭をハンマーで割りました。そして、脳みそを取り出し、両手に持ちます。


「みてみて! おねーちゃん、かにみそ!!」


満面の笑みです。


お姉ちゃんも弟に負けてられません。


―――ザクッ。ツー。


お坊さんのお腹を包丁で切り裂いて、腸を引きずり出しました。そして腰に巻きます。


「ヒーローベルト―!!」


「おお~!! かっこいい!!」


「こら!! 坊主たちダメじゃないか。早くお坊さんに返しなさい。」


姉弟は、怖いおじさんに怒られてしまいました。


「いやだ、だっておにーちゃんはかえしてくれなかったもん」


頬を膨らませ、姉が言います。


「いいかい? 人のモノを勝手にとってはいけないんだよ、お坊さんが困ってしまうだろう?」


子供たちは互いに顔を見合わせました。


「こまるんだって、かえしてあげないとね」「そうだね、おねえちゃんかえしてあげよう」


そう言うと、お坊さんに脳みそと腸を返してあげました。


「返してくれてありがとう、お嬢ちゃんたち。お礼にこれを上げるね」


―――ブチッ。


お坊さんは代わりに目玉をくれました。


「「ありがとう、おぼーさん」」



2人はそれを家の庭に植えることにしました。姉弟はそれぞれ少し離れた場所に向かい、穴を掘り埋めて水をかけます。すると芽が出て、立派な木に成長していきました。みるみる成長し屋根を超える高さの木になります。木には、大きな木の実が1つずつなっており、その実が地面に落ちました。


姉弟は落ちた実に近づいて行きます。すると実が割れて、中からお父さんとお母さんが現れました。


両親は優しい笑顔で言います。


―――ただいま。



姉弟は満面の笑みで返します。


―――おかえり!!



そして、家族は幸せに暮らしました。

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