オージャイト タウン

@kake_sho

第1話 旅立ち

「これを持って行け」

そう言って手渡されたのは手のひら大の宝石のように輝いている石。

宝石じゃないんだけどね。

「ありがとうございます」

僕はそれをしっかりと受け取る。

僕はこの町の領主の次男であり、長男がこの領地を継ぐことは決まっていた。

だから、この輝石を渡されたわけだ。

「どんなに離れていても、我々の絆は永遠だぞ」

そう話す父親の目には涙があった。

「この町よりも素敵なものに仕上げて見せますよ!」

そう意気込み、僕は町を出た。


それが、数日前の出来事になるかな、と、僕は路頭に迷うわけだ。

正直な話、たぶん、父親としては近場に適度な町でも作れっていう思いだったんだろうけど。

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