呼ばれて飛び出て……

 入学してから気が付けば一年が過ぎ、今は新学期前の連休中である。




 ユウキの学年はまだ入学儀礼などを手伝う事はないため休日は少し長い、しかしマキナのクラスだけは優秀な人が集まったクラスなので少しばかり手伝いにかり出されている。


 そういう訳なので暇なユウキは1人で依頼を受けている。


 今回は長期休暇というのもあり遠出するタイプの依頼を受けてみた、ユウキだけの場合は宿代はもったいないと思っているので基本的に野宿している、しかも飛竜の姿に変身して寝れば野生の魔物や動物、夜盗に襲われる事は一切ない。


 依頼も終わって一晩寝てから帰ろうと飛竜の姿に変身した時、いきなり地面に大きな魔法陣が出現した。


「え、何事?!」


 明らかにこの世界の物ではない魔法陣の出現にもしやと思い体制を立て直す、すると目の前が真っ白になるとせっきまで日没寸前だったはずが太陽が真上にある明るさになった。






 どうやら僕は異世界に転生したらしい……。


 トラックに轢かれた訳でも病気で若くして死んだ訳でもない、気が付いたら森の中にいて遠くから悲鳴が聞こえてきて、そこに向かったらモンスターに襲撃されていてなぜか使えたスキルを使って倒してなんか仲良くなって今はこの世界の学校に通っている……。


 なんというか、WEB小説によくある展開にまさか自分がなるとは思っていなかった、剣と魔法の世界である、しかもスキルがある、そうスキルがあるのだ、前は自分がどれくらい出来るかは他と比較しなければ解らなかったが今はスキルの【鑑定】を使えば簡単に自分がどれほどの実力を持っているか簡単に把握できる、しかもどうやら僕には相手の情報も【鑑定】で見る事ができる、普通は出来ないとのことだ、相手のスキルさえわかってしまえば何に弱いかなんてまるで攻略本を読むように丸わかりである。


 ちなみに僕のスキルは一般人と比べるととても多いらしい、あと【クロックアクセル】って謎のスキルがあったそれを鑑定してみると。


【クロックアクセル】


 全てにおいて先を行く事が出来る。


 と表示される、正直謎スキルである、別に足が速くなる訳ではなかった、実際にモンスターに襲われて助けた女の子に普通に負けたし。


 いや…、そんな事は今はどうでもいいや、既に過去の事だ今さら変えられないし、それよりも今は使い魔の召喚の授業の時間だ、異世界に来たときからもしかしたらあるかなぁ……、とは思っていたが本当にあるとは正直思っていなかった、召喚のルールも概ね予想通り見た事があるだった。


 クラスの半分ほどが終わり遂に僕の順番になった、僕の使い魔は一体どんな奴なんだろ、とりあえずなんか強い奴ってのは簡単に想像できる、あぁでも性格的にダメな使い魔のパターンもあるから召喚する時は召喚したい物をしっかりとイメージして挑もう。


 この世界の宗教はまだいまいち把握してないから天使や悪魔系はとりあえず除外かな、となるとやっぱりドラゴンだな、体は真っ黒で頭が良い奴がいいな、あとはまぁ、とにかく強い奴、よしこれで行こう!。


「現れよ、僕の使い魔っ!!」


 強い光が魔法陣から発せられる。

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