Second Game - 資料集
Second Game - 初期プロット
【プロローグ】
デスゲームの開始宣言から、ルール説明の様子を描く。
【Chapter1】
【犯人】:亜麻音琴絵 被害者:玉手子犬
三日目まで、子犬の主導で全員でアトラクションで遊ぶ。その後、アトラクション巡りをしている最中に、琴絵が罠を仕掛けた観覧車へ。
グループ分けはその場で適当になされ、二人組になって皆は観覧車に乗り込む。香狐は琴絵と同じ組、透意は子犬と同じ組となるが、透意は子犬に僅かな怯えを見せる。
観覧車が回り終えたとき、透意は普通に観覧車から出てくるが、子犬は何故か出てこない。そのまま観覧車はもう一周してしまう。異常に気付いた皆がそれを出迎えると、子犬は息を引き取った状態で発見される。
当然、皆は透意の犯行を疑う。しかし透意のことをよく知る香狐をはじめ幾人かが透意を庇い、捜査が始まる。
捜査の最中において、香狐に庇われた透意はその姿勢を見て、香狐に魔法少女として生まれ変わることを提案する。この際、香狐の本心を見極めるため、『命令されているから仕方なく贖罪に励んでいただけではないか』と疑っていた透意は、香狐の魂に植え付けられた命令を消滅させる。
命令が消失した影響により香狐の本性も顔を出し始めるが、それでも香狐は事件の解決に向けて行動する。
香狐の手により観覧車を利用した大魔法陣作成という琴絵の犯行が暴かれ、琴絵は本心を語る。
潜んでいるだろう裏切り者を排除しようと行動したこと。きっと自分の犯行は英雄が暴き、自分亡きあとは英雄たちが魔王の企みを打ち破るだろうと信じていたこと。その信じていた英雄に裏切られたこと。
琴絵は最後に、香狐に英雄になってほしいという望みを託し、処刑される。
【Chapter2】
【犯人】:法条律 被害者:小古井奉子
ビタースイートからルール変更が言い渡され、毎日のアトラクションノルマに関して、個々人で指示されたアトラクションをそれぞれ回る形式に変更される。
また、脱出に使える望みが潰えたことで、奉子が[共鳴急行]を開放して皆にベルを配る。
この章で、「現実改変」の魔法の存在を示唆する。しかし「どんなことでも成し得る最強の魔法」である自在な現実改変能力など、魔王とて持っていない。仮に、誰かがそんな能力を持っていたとしても、過去を根底からひっくり返してしまうなら能力の存在そのものを認知できない。ただ一つわかることは、死んだ人間が帰ってきていない時点で、犠牲を許容できないような優しい子はこの能力を持っていない――と、香狐と透意は推測する。
この章で律と奉子が仲良くなっているのを描写する。また、規律に身を捧げる律と、奉仕する相手に自分を捧げる奉子の考えの違いについても演出として盛り込む。
アトラクションの中に、心を可視化する何らかのアトラクションを登場させる。この異常な環境に耐えられなかった律は、このアトラクションを用いて自らの心(正義感とかその辺り)を反転させてしまう。
Chapter2開始から三日後、奉子がお化け屋敷の中で遺体として発見される。
奉子がいた部屋には入退室の記録が取られるシステムが作動しており、入退室ログは最後には全員退室したということになっていた。
そうなると誰もいないはずの、いわば密室になぜ奉子がいるのかという問題になる。(なおシステムは遺体もしっかり入退室にカウントする)
実際は、律の魔法により『入室』と『退室』の概念が反転され、入れ替えられていた。
また律はこの密室トリックに加えてアリバイトリックも使用し、自分の立場を盤石にしていた。
犯行を暴かれた律は、明らかに狂ってしまった様子で「殺人が楽しかった」と語るが、香狐に「それは規則の縛りという不自由から解放された快感であって、殺人の快楽じゃない」と諭される。規則信仰を否定されたことに関して怒鳴り、狂笑を上げるも、本心では理解していたため、笑いながら涙を流し、小さな謝罪を呟いて処刑された。
香狐が律に放った言葉は本心からのものだったが、一方で「罪を償う」という命令に縛られて息苦しさを感じている自分を、律に重ねて放った言葉でもあった。(香狐は自分の命令がとっくに解除されていることを知らない)
【Chapter3】
【犯人】:包結似 被害者;玉手子犬、万木光花
死んだはずの子犬が普通に生きていて、代わりに最初の事件で栗栖が死んだことになっている。また、紫月輪廻(最初の殺し合いで香狐が殺した夢来に瓜二つの少女。ただし性格は割かし違う)が十人目の参加者として増えている。この異変に関しては誰もが当然のこととして受け止めている。というか異変とすら思っていない。
ただし香狐は輪廻に対し、もしかしたら夢来が何かしらの手段で蘇ったのではないかと推測し、蘇生という可能性への希望を抱くことになる。
この辺りから、透意はかなり香狐に信頼を見せるようになる。香狐自身は透意に好かれる理由が不明なため、その変化に戸惑う。
Chapter3開始からすぐに、他人の感情を己の感情として内側に取り込んでしまうという異常なまでの共感性を持っていた結似は、これまでの事件での殺意、とりわけ律のものに当てられて行動を起こす。
結似は己の魔法を多用し、自らを違う人間として複数回他人の人間に目撃させる。その上で、自分の着ぐるみを他人に着せるなどして自分の偽りの目撃証言を確保し、徹底的にアリバイを掻き乱す。
また、二人のうち片方をかなり早めに殺し、遺体を隠す。自分の魔法でその人に何度か成りすますことで、死亡した時間を日付けレベルで勘違いさせる。
(これ以上の事件詳細は未確定)
(もう一つの構想として、光花が誰かを殺すというシナリオを取るか迷っていた。というかおそらく、このまま執筆をつづけていたらこちらのシナリオを採用していた。動機に関しては設定済みなのでキャラクター設定(完全版)参照)
【Chapter4】
真犯人:玉手子犬 【犯人】:甘味透意 被害:色川香狐
Chapter3の時点とまた犠牲者が変わり、まだ事件は二つしか起きていないことになる。前回と同じく誰もこの変化を異変と捉えていない。
この時点で透意はなぜか香狐へ依存しているような様子が見え始める。
輪廻が自らの正体とこの殺し合いを終わらせる方法について香狐に語る。(ただしここでは読者視点で話し合いの内容は明かされない)
子犬は殺し合いの初めから、香狐が魔王「ワンダーランド」だと知っていた。二つ名持ちの魔法少女として強い責任感を持っていた子犬は、自分が処刑されても、誰かを犠牲にしてでも、裏切り者を殺すことでこの殺し合いが終わるなら、少しでも生存者を増やすために殺害を実行するべきだと最初から考えていた。
しかし他にも、ただの魔法少女とは思えない透意や輪廻の存在もあり、残り人数から考えるにそろそろ殺害を実行しなければならないが、候補が三人おり誰を始末すればよいのかに思い悩む。当然、自分が【犯人】となってこの三人全員を一度に殺すのはあまりにも難しい。そこで子犬は、殺人の咎を誰か一人に擦り付けて自分は生き延び、再度殺人を起こすことで怪しい存在全員を始末する計画を立てる。(ルールでは殺害方法、あるいは故意/過失/無自覚を問わず、実行者が【犯人】と認定される)
子犬は一番御しやすそうな透意を【犯人】役として選び、自分が作った罠によって誘導。透意自身に殺人トラップのスイッチを押させ、香狐を殺害させる。
その犯行を自覚していない透意は、突然訪れた香狐の死に動揺するが、その弔いのために自分が探偵役になることを決意する。
しかし透意は、議論の最中に真相に辿り着き、自分が香狐を殺してしまったという事実に打ちのめされ、そのまま処刑される。
【Chapter5】
【犯人】:甘味透意 被害者:亜麻音琴絵、包結似、法条律、小古井奉子、霧島栗栖、(玉手子犬・寸前で回避)
まだ事件も起きておらず、参加者は全員揃っている。Chapter3、4と同じくその変化には誰も言及せず、当然のこととして受け止めている。
透意の主導により、皆は全員で手を取り合い、Chapter1の時点よりも仲間らしく振る舞いながら生活する。
そんな中で最悪の大量殺戮が起こり、各アトラクションに仕掛けられたトラップにより、琴絵、結似、律、奉子、栗栖の五人が死亡、子犬も罠にかかるが寸前で死を免れる。なお、他のアトラクションにも殺人トラップが仕掛けられていたことが後に発覚する。
トラップの仕掛けられていたアトラクションのうち一部は、Chapter1~4で殺人が起きた場所と一致し、手口も限りなくChapter1~4の事件に近い。
地獄の殺戮の中生存した香狐は、大量の殺人に打ちのめされた様子の透意を気遣い、自分がなんとかしなければならないと決意する一方で、初めての殺人でいきなりこれだけの大量殺人を仕掛けた犯人の行動に疑問を抱く。
また、謎を追っていくうちに、これは本当に数日のうちに一人で考えたのかと驚くほどにトリックの性質や前提条件(固有魔法の存在が前提のような謎の構築)がバラバラなことから、何か妙な背景があるのではないかと疑い始める。
解決編の最中、推理の果てに、香狐は自分が忘れてしまった過去があるのではないかと疑い、[幻想書架]を発動。この世界の仕組みをようやく理解する。
この世界は現在無限ループに囚われており、香狐の記憶は全てのループにおいて香狐自身の死、あるいは透意の死のどちらかが訪れた時点で途切れていることから、おそらくは透意の死がループのトリガーにされていることを理解する。
(ちなみに、このデスゲームが終了条件を満たすことはない。ゲーム終了条件に設定された魔物とは透意のことであり、彼女の死で時間が疑似的に巻き戻るから、一日経過の条件が満たせない。残り二人以下になった場合でも、参加者以外の者が参加者を殺傷することはゲームの進行に関わる場合を除きないものとする(裏を返せばゲームの進行に差し障るなら殺せる)というルールを利用し、ルナティックランドは透意を殺害してゲームを続行させる)
(本編中ではここまで、犠牲者が変わるのは現実改変の影響だというミスリードを仕掛ける)(律の固有魔法もミスリード。彼女の魔法では世界全てを巻き戻すことはできない)
【Chapter0】
これまでのループのネタばらし。透意視点で語られる。
プロローグは一周目、Chapter1・2は約三十周目、Chapter3は約四十周目、Chapter4は約五十周目、Chapter5は4の次の周、という想定。
プロローグとChapter1の間、約二十周目で、ルナティックランドは【真相】究明失敗によって【犯人】以外の処刑が実行されることになった面々に、世界のループ構造を明かす。透意はそれを受け、自らの固有魔法を利用して記憶の転送を実行。次のループに記憶を持ち込む。(方法の詳細はキャラクター設定(完全版)参照)
当初香狐を信用していなかった透意は、香狐の[幻想書架]ならループの完全な記憶を取り戻せると知りながら、頼ることはしなかった。しかし度重なるループの中で、香狐だけは絶対に殺人を犯さなかったため、一度香狐を見極めようと、彼女に魔法少女化を提案する。(これがChapter1)
Chapter3において、ループの途中で何の説明もなく唐突に参加者に混ざった輪廻を見て戸惑うが、結局その正体は掴めなかった。
ループの最中、命令を解除しても絶対に透意の味方となって魔法少女を守ろうとする香狐を信頼する。しかし香狐がワンダーランドと知っている子犬には、それが理由で魔王同士の繋がりを疑われ、度々殺されることとなった。透意が子犬に怯えているのはそのため。(実際、透意が覚えている死因のうち半分以上は子犬の行いが原因)
ループの途中で一度だけ、香狐に全てを打ち明け、[幻想書架]で全てのループの記憶を得た香狐に頼ってみたりもしたが、解放には至らずに透意は更に心にダメージを受けることとなった。
終わらないループに透意は心をすり減らしていき、絶対的な味方となってくれる香狐に依存し始める。その中でChapter4の事件が起こり、透意は遂に心を砕かれる。
そして透意は、このゲームを終わらせることを決意する。
【Chapter5】
香狐の視点で解決編に戻る。
取り戻した記憶から、透意がこれまでのループでの殺人を模倣し、皆を罠にかけたのだと暴く。
Chapter4で死亡して以降の記憶がない香狐は、透意の動機がわからずにそれを問い詰める。それに対し透意は、今まで押し込めてきた苦しさを全て吐き出す。幾度となく大切な魔法少女たちの殺し合いを見せられ、そして幾度となく殺されてきたこと。その果てに、殺人の咎まで押し付けられたこと。この殺し合いを終わらせるにはもう、透意自身が【犯人】となって他を全滅させる以外に道がないこと。
それを聞いた香狐は、以前頼られた際に殺し合いを終わらせられなかったことを謝罪し、次のループで絶対に殺し合いを終わらせるから、もう一度だけ頼ってほしいと語る。
ルナティックランドはそれを嘲笑するが、透意はそれを信用し、絶望の中でほんの小さな笑みを浮かべた。
香狐は、これも魂に刻まれた命令に言わされてるだけだと自嘲するが、そこで透意は、命令はとっくに解除されていると明かす。
そして【犯人】は処刑され、世界は次のループへ移る。
【解放編】
Chapter5の次のループ。透意と香狐が言い争いをしていたプロローグの場面まで戻る。
ルール説明が始まる前に、透意は香狐に[幻想書架]で全ての記憶を取り戻すように伝える。
更に香狐を魔法少女化し、[浄罪慈雨]の効果を起動させ、高まった罪悪感により魂を極限まで純化。そしてもう一度透意が手を加えることにより、遂に香狐は魔法少女を超えた存在に至る。
その力を恐れたルナティックランドは解放を阻止しようと、今までのループの記憶を逆に全員に取り戻させる。幾度となく殺し、殺された記憶に魔法少女たちは汚染されるが、全員が己の罪悪感と向き合い、[浄罪慈雨]の効果でこちらも魔法少女の領域を超越する。
ルナティックランドが信じる狂気の敗北により、輪廻の眠っていた魔王としての力が覚醒。ルナティックランドと対をなすスピリットランドとしての力で全員の魂・固有魔法をリンクさせ、ループ構造の破壊と世界の支配権の奪取を達成する。
戦いに敗れたルナティックランドは、スピリットランドの理により力を失い、封印される。
それを見届けた後に、スイートランドの出入り口を開放。それぞれは自分がいるべき場所へと戻っていく。
あまりにも長すぎた殺し合いを思い返しながら、透意は香狐を完全に信用することに決めたと伝える。香狐は再会を約束し、スイートランドを去ってゆく。
これにて、香狐が種を蒔いた殺し合いは完全に収束する。
【エピローグ】
万木光花・玉手子犬――魔法少女の域を超えた存在として、魔物との争いを終わらせる手段を模索する。
亜麻音琴絵――上の二人や他の最前線級魔法少女と共に、真の理想世界への道を探し始める。
霧島栗栖――地獄の日々の記憶を胸に、自分を嫌わず生きていけるように決意する。
包結似――自分の中にも確かにあった感情を自覚し、自分探しを始める。
法条律・小古井奉子――殺し合った過去を越え、無二の友人になる。
紫月輪廻――ルナティックランドを抑えながら、魔王同士の談合を開き、平和を訴える。
甘味透意――彼方と香狐に合い、殺し合いに幕引きをもたらした二人に感謝を捧げる。香狐に対しては少しだけ特別な感情(恋愛的な意味ではないが)を覗かせる。
色川香狐――彼方に自らの罪と向き合ったこと、これからも贖罪を続けることを語る。彼方も「あなたを許せるように努力してみる」と歩み寄りを見せ、ようやく彼方はあの日以来続いている悪夢から解放される。
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