タイトルで一首 本文で読書旅行
古博かん
初めの百首
コロナ禍の天満宮の梅の香は人知れずとも満ちて待ちかぬ
今年の初詣は、
参道から見える光景は、平時と異なり、鈴を鳴らすための縄も帯も、手の届かない位置で高く結ばれ、音を鳴らすことは叶わない。
時期を外した今日も、それは年末の光景と変わらない。賑わいを潜めた境内には、砂利を踏みしめる一人分の足音だけが続く。
カラカラと冷たい風に吹かれた絵馬が立てる音に耳を澄ませながら、深々と
(旧正月も明けてしまいました。ご挨拶が遅くなりましたが、本年もどうぞ、よろしくお見守りください)
声に出すことなく、神前に遅れた新年のご挨拶を告げる。さあっと耳元を吹き抜けていく風の気配を感じながら、最後に深く
香りに
言葉は無くとも、ひっそりと出迎えてくれる、わたしの背と同じ高さくらいの梅の木々の合間を縫うように、わたしは末社の一つ、
そこでも、梅の香りのする風に吹かれて、静かに
——————
待ちかぬ——他動詞ナ行下二段活用……だっけ?
これで合ってたっけ?
まあ、いっか。雰囲気、雰囲気。
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