ナンバー・オブ・ザ・ビースト:TCGプロ・プレイヤーを引退した俺ですが、復帰してまた世界最強を目指します。
春日康徳
序 章 記憶消去 ―Reset―
フィーチャーテーブル――そこは
全プレイヤーの目標であり、
たかがカードゲーム。
歯車が
誰も注目していなかったカードの組み合わせで、ライバルたちの
ひとつのミスが敗けに繋がる緊張のなか、
あんなにドキドキしていたはずのゲームプレイは、しかし、いつしか自分を追い込む
カードパックをむくときのあのハラハラは、ただの作業になり――強いレアカードや
負けたらあとがない選手を追い詰め、投了させることになんの罪悪感もなくなり、自分よりも弱いプレイヤーに
ぐるりと囲む中継のカメラ。表情のない
これが――自分の追い求めていたものなのか? 秋人は
「キミ、イヤホンを外して」
ジャッジが俺に声をかけてくる。
しかし、秋人はジャッジを無視し、スマートフォンを操作した。ハイレゾフォーマット対応のプレイヤーを起動して、〝それ〟を流す。
――キュゥイン。
高周波が耳の奥で鳴ったのを最後に――
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