From Darkside fantasy

松長良樹

★少年の秘密


 

 夕焼けが綺麗だった。山道から林を抜けると渓流があった。

 


 岸辺に小さな男の子が佇んでいた。近づくとしくしくと泣いている。

 


「どうしたの?」と問いかけると

 


「僕、おへそが無いんだ」と答えた。

 


 目が大きくて、つるつるした頬をしていた。



 驚いて名を問うと「僕は桃太郎なんだ」と答えた。




   了



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