第5話 霊媒師の発言

4 霊媒師の発言


 それでは、ぞの亡くなられた方の霊を体に取り入れようと思います。

 ……

 はい、わしのことを呼びましたか?

 ……

 なるほど、わしが死んだ経緯を知りたいのですか?

 ……

 そうですね。まぁ、結論から言いますと、寿命です。老人ホームにいたのも事実です。そこであるときに体調を崩して、そのまま病院行きです。そして、そのまま入院したのですけど、そのまま意識を失って……というところです。たぶんそのままわしは死んだのだと思います。

 老人ホームに入る前は、そうですね、娘が嫁いだところに厄介になっていました。というのも、わしの介護に息子の嫁が苦労しているのを見て申し訳ないと思ったからです。ええ、それで娘とかに相談して、娘も家族に了解してもらって、それで行きました。そこでの生活ですか?そうですね、大人しかったと思いますよ。いかんせん、厄介になる立場ですので、大人しくなるしかありません。いや、悪い意味ではありません。とりあえず、大人しかったと思います。

 厄介になる前ですか?つまり実家にいた時ですよね?うーん、特に何もありませんよ。普通に暮らしていました。田畑を耕して、健康に気をつけていました。そこでも大人しかったと思いますよ。たまに手伝ってもらったこともありましたが、特に何かあったわけだはないです。息子の嫁や孫との関係も良かったと思いますよ。できる限り優しく接したと思いますよ。たまには注意することもありますが、それはどこの家庭でもあると思います。とりあえず、わしはおとなしくニコニコと暮らしていただけです。

 以上でよろしいか?では、わしはあの世に戻るとします。

 ……

 はい、以上になります。お役に立てられましたでしょうか?


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