第12話 植物の終わり

植物が意志を持ち、何かの危機を察知したのか、この星から逃げ出し始めてから5年。


植物なしでは生きられない我々は、植物たちが宇宙まで逃げ出さないうちに捕え、監禁し、星を生かす仕事を続けさせるしかなかった。


植物の言葉はよくわからなかったが、大体のところ「わたしたちはここをはなれなければ」とかそんなことを全員が言っていた。


監禁している植物たちが一斉に黒く変色し、割れた背中から禍々しい胞子が大量に吹き出した時になって初めて、我々は彼らの懇願の本当の意味を知った。


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