第9話 夜の終わり
朝が来る前に終わらせると決めていた。
あの人に残したメッセージにも返信はなかったし、もう思い残すことはない。
薬の瓶を手に取った時、スマホが震え、長い間迷ってからスピーカーボタンを押した。
「どうしたの?大丈夫」という電話越しの声に涙が滲んで、私ははじめて、窓からもう陽が差し込んでいることに気が付いた。
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