そんな日もあったよね

ここ最近流行りの、写ルンです。

あれ私も買ったんです。


当時好きだった彼と行った、ディズニーシーでの思い出を残すために。


(ここで既にハッピーエンドでないことがわかってしまうのが悔しい。自由に書いていい、書き換えていい小説なはずなのに、ダメージ喰らいながらバカ正直に書いてしまう。でもいつだってありのままを写してくれているであろうフィルムカメラに敬意を払いたいから、ノンフィクションで書くんです)


あの日、私は巻き上げダイアルを回し、昼間でも念のためにフラッシュスイッチを上げることを欠かさなかった。パイロットランプの点滅が終わるのを待つ間に、「もういい?」と待ちきれず彼がピースを下ろしてしまう。今思えば、ピースを維持してカメラを見る時間が恥ずかしかったようにも見えた。可愛い。(そんなことなかったらごめんなさいね)

どんな写りだとしても「そんな日もあるよね」と笑って一緒に写真を見返す準備はバッチリだった。


結果として、いまだに現像には行けていない。正確には、行く必要がなくなった。彼が居なくなったからね。(あの日アトラクションの待ち時間、彼の携帯に某マッチングアプリで知り合ったであろうリカちゃんからの「追加したよ♡」のライン通知を私は見て見ぬふりしてたけど、たぶんその子のとこに行ったんだね)


なんて自分の痛い経験も、もしかしたら既に誰かは味わっていて、その誰かに話して「あ〜、あるよね、そういうこと( 笑 )私なんてさ〜...」なんて言われようもんなら腹立たしいので誰にも吐かない。ここで消化させてくださいね。


ありのままを写すフィルムカメラは私の感情の一瞬さえも逃さないようだ。こんな結末を迎えることをあのカメラは知っていたのだろうか。フィルムを巻かれるたびに良くはないエンドロールに近づいていくことを気にしてくれていたのだろうか。

今度は是非、良い思い出のまま現像しに行きたい。

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