17話 恋愛の行方

 俺は目を覚ます。




 何回目だろう。この経験。


 三回目……?




「起きましたか?」


 と問うエリーゼの顔はまるで、


「天使みたい……。」




「うん?何ですか?」


 こんなに優しいから好きなんだよ。他に好きなところ……。


「可愛い。性格が良い。いつも敬語。よく笑う。感情がわかりやすい。」


「……。」




 エリーゼは喋らない。次を促しているようにも感じる。


「格好いい。気が合う。仲間想い。」


「誰のことですか?彼女でもできたんですか?」


「エリーゼのことだよ。エリーゼやその他仲間たちを傷つけた魔王軍と決着をつけたいんだけど、一緒に行かない?」




「どこまでも、ついていきます。」


 そういうと、エリーゼは微笑んだ。


「可愛い!」


 咄嗟に声が出てしまった。




「ありがとうございます。ところで……。」


「「俺と(私と)付き合って(下さい)!」」




 被った……。




「「はい、勿論(です)!」」




《(ここで揃えますか……?)》


 おい!感動のシーンなのに水差すな!




「今日から私たち、恋人同士ですね!」


 やはり天使のようだ。




「取り敢えず、エリーゼがめっちゃ可愛い。」


「サトシさんも、格好いいですよ?」


「ありがとう。」


 一つ一つの遣り取りが嬉しい。




《(リア充してますね……。爆発しろ。)》


 何か聞こえた気がするが、無視だ。




「皆にも魔王の件、相談しようか。」


「はい!」




 イルマの場合……。




「俺は皆を傷つけた、魔王と戦おうと思う。」


「そうね。私もイライラしていたし、ついていくわ。ところで、エリーゼはサトシと何かあったの?」




 エリーゼは俺を見る。恐らく、付き合い始めたことを言っていいか聞いているのだろう。俺は頷く。


「はい。付き合い始めました。」


「凄いじゃない。良かったわね。」




 リョースケの場合……。


「それで、魔王軍と戦うんだが……。」


「勿論一緒に戦おう!」


 リョースケはエリーゼに釣られました。




「魔王軍ですよ……?」


「知ってるよ!」




 ジュンジュンの場合……。




「で、魔王軍と戦おうと思うのですが……。」


「大切な仲間の頼みだ。勿論一緒に戦う。」


 うん、流石勇者。




「大変だったな~。」


「俺がいないうちにそんなことがあったとは(キラーン)。」


 過保護!すごく過保護!流石キャラ被り!玉子王子に負けないキャラに仕上がってる!過保護!




 ジーナの場合……。




「という訳で魔王軍との戦いに参加しないか?」


「皆とパーティ組んでから稼ぎが良くなった。魔王軍幹部は賞金首。勿論参加する。」


「合理的ですね……。」


 その通り。ジーナは合理主義なのだ!




「お金、お金、お金、お金、お金……。」


 ジーナ怖い。




 セイイチの場合……。




「勿論!」


「何も言ってない。」


「予測したんだ。」


 すげーな。




 流石セイイチだぞ!(思ってない)


「聖なるものの使命ってやつだ!」


 聖なるもの!そうなんだ、凄いね!




 先生の場合……。


「いいですけど……。無理しないで下さいね。」


「「「「「「「《いいの⁉》」」」」」」」」


 エルまで……。




《乗ってみました。》


 要らねー。


「その代わり、全員がLv.30になってからですよ。」


 レベル……。 


 ただいま




俺:Lv.28


エリーゼ:Lv.21


リョースケ:Lv.43


イルマ:Lv.38


ジーナ:Lv.35


ジュンジュン:Lv.65


セイイチ:Lv.44




 Lv.30になってないの、俺とエリーゼだけじゃん。


 暫く訓練だな。




 今日は……五月十三日だ。


 でも俺は、直ぐにLv.30になるだろう。


 問題はエリーゼだ。




「私、まだLv.21なんですけど、いつになったらLv.30になるのですか⁉」


「大丈夫。俺と訓練しよう?」


「格好いい……。」




《バカップル……。》


 なんか文句あるか?あん?文句あるなら聞こうじゃないか。うん?


「何バカップルしてんのよ。」


「カップル⁉え⁉エリーゼちゃん、サトシと付き合ってるの⁉」




「「「ふーん。」」」


 興味ないのか!

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