第13話 シャクシャインの戦い

3日後、村おさのバレシクルが戻ってきた

トカチコタンの主な村おさ達をつれて


バレシクルいわく

「この方が日のカムイの使い、カエデ様

でございます」


村おさ達

(((?)))


「本当にカムイの使いなのか?

本当にイナウの化身なのか?

ただの娘ではないのか?」


『▪▪▪』


「まあ、よい、もう決まったことで

あんたに聞くこともないんだが、

バレシクルがどうしてもというので

来たまでのこと」


他の村おさ

「シサム(和人)と戦うことになった

シブチャリアイヌのシャクシャインの

呼び掛けに応じるつもりだ」


『▪▪▪』


「あんたが本当にカムイの使いなら

台風を起こして今すぐシサム達を追い払ってくれ(笑)


まあ、出来るならとっくにやっているか


シサム達がどれだけわれらアイヌを迫害しているか分かっているのか?」


バレシクル

「カエデ様、なんとかならないでしょうか?」


『わたしにはなにも▪▪▪』


「まさか、伝説にあるように台風を起こしたり、狼を出して追い払ってくれとは申しません


どんなことでもよいので、なにか手がかりがないものかと」


(▪▪▪)


『分かりました、筮を立てさせて下さい』


「筮?」


『ええ、50本の細長い棒を持って来てもらえませんか

アイヌのカムイに筮を立て伺ってみたいと思います』


「わかりました」


バレシクルの用意した筮竹を立て

アイヌのカイムに祈祷したあと

二つに分けて、数えていきます


天▪沢▪火▪雷▪風▪水▪山▪地

と唱えながら


下の卦は『雷』


もう一度、祈祷して二つに分けて数える


天▪沢▪火▪雷▪風▪水▪山▪地

と唱えながら


上の卦は『天』


最後に変爻は初変


天雷無妄初爻変


『これは▪▪▪』


他の村おさ

「なにが出たんだ?」


『これは、天雷無妄は、予測不能の災難の卦で、待っていても駄目、良くしようとしても駄目です』


「はあ?

じゃ一体どうしろっていうんだ?

このまま死ねというのか?」


(▪▪▪)


「行こう行こう、とんだ無駄足だった

こんなイカッカラ▪チロンヌプ(誑かす狐)

が何の役にたつというのか」



着いたばかりというのに、

村おさ達は急いで引き返して行きました


「カエデ様」


『バレシクルさん、あの人達に何をいっても▪▪▪

もう戦うことを決めているので


1669年のシャクシャインの戦い


シブチャリのアイヌを中心にトカチのアイヌも呼応して戦い勝利しますが

松前藩と和睦したあと、シャクシャインをはじめとする村おさは全員殺されてしまいます』


「!」


『バレシクルさん、もうこの山奥のコタンの村びとだけでも助かる道を探すしかないと思います


私に少し時間を頂けませんか?』


「分かりました、カエデ様」

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