瀬戸美月 25歳 〜 私、プロポーズされました!
三枝 優
プロローグ
その日、健司と美月は一緒に暮らす予定の部屋の内見をしていた。
マンションの10階。東向きの2LDK。リビングがかなり広い。
2人で暮らすには十分な広さだ。
リビングの外は、かなり開けていて眺めが良い。
夜景が広がって来た。月も出ている。
それを眺めている健司のそばに美月が来て言った。
「健司さん、素敵な部屋ですね。ここに住むのが楽しみになりました」
健司は、ぎこちない仕草で振り向いて言った。
「美月・・・話があるんだ・・」
「え?なんですか?」
「まだ・・出会って一年たっていないから早いと思うかもしれないけど」
ポケットから取り出した指輪を見せる。
「美月・・・結婚してください」
美月は驚いたが、涙ぐみながら返事した。
「うれしい・・・よろしくお願いします!」
そう言って健司に抱きついた。
窓の外には美しい満月が輝いていた。
これは、瀬戸美月(25歳)がプロポーズされてから始まる物語。
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