第10話 従順な下僕
【イーゼの戦場】
「俺を他のオークキングと一緒にするなブヒぃー!!」
オークロードはその巨体に似合わず、俊敏な動きでイーゼに向かって突進した。
武器はキングと違い、巨大なバスタードソードを持っている。
「あら、お次の豚ちゃんはあなたなのね。うふふ、いらっしゃぁい。」
「笑ってられるのも今の内だブヒぃ!」
オークロードがバスタードソードを上段に掲げた瞬間、イーゼの鞭が顔のアゴ先にヒットする。
「ぶひぃ!」
予想外の鞭の攻撃力に、オークロードの顔面はのけぞった。
「効かぬわ! こんなものブヒ!」
だが、流石はオークロード。
そこまでダメージは通っていない。
「まだまだよぉ。そうね、あなたには特別にこれを使ってみようかしら……【オザパニ】」
イーゼの鞭に混乱が付与された。
「イキなさぁぁい。」
パシィーン ピチィーン
「ブヒ!? なんだ? あれ? 目が……ぶ、ぶひぃ?」
オークロードは他のオークと違い、全ての属性に耐性を持っていた。
故に本来、炎や氷を纏った鞭で攻撃しても、さほど効果はない。
だがしかし、状態異常に対する耐性は弱かった。
混乱の鞭で叩かれた瞬間に、オークロードの思考はぐるぐると回っている。
「まだまだよぉ! ほぉら! 早くいい声をあげてみなさぁい。」
パチーン!
「ぶ、ぶひぃぃ! もっとぉ! もっとだぶひぃ!」
「オネダリが下手ねぇ。鞭が欲しければ、そこにいる仮面を被っている奴らを倒しなさぁい。」
パチィーン!
「は、はいブヒぃ!!」
仮面を被っている奴ら。
すなわち、シャーマンキングとレジェンドシャーマンである。
「血迷ったか! オークロード!」
「女王様の為に死ねぶひぃーー!」
オークロードの思考は、完全にイーゼに支配された。
「ぐふぁぁぁ! や、やめろお!」
「誰か早く、こいつの状態を回復させろ!」
「ダメだ! もう遅い! 殺すんだ!!」
「遅いぶひぃ!!」
オークロードの戦闘力は圧倒的だった。
近接戦闘が苦手なシャーマンキングを次々と巨大な剣で屠っていく。
「や、やめろーー!」
「お前で最後だぶひぃーー!」
そして遂にはレジェンドシャーマンすらも倒してしまった。
オークロードとは、オーク族の頂点に立つ魔物。
心・技・体の全てを兼ねそろえた化け物の一人である。
だがしかし、今はただの従順な豚。
「よくやったわ、こっちにきなさぁい。ご褒美をあげるわぁ。」
「ぶ、ぶひいぃ!! ありがたき幸せだぶひぃ!」
「そうね、じゃあ今度は熱いのをかけてあげるわよ。【メラメラゾーン】」
イーゼは直接オークロードに火玉を放った。
だが、火の耐性を持っているオークロードにはあまり効果はない。
身体的には……。
熱せられたロウソクを垂らされた感じしかない。
「ぎ、ぎもちぃいぶひぃ! もっとくださいだブヒぃ!」
「もう。この豚畜生は欲しがりねぇ。ほぉら、どんどんいくわよぉ。」
ばしぃーん! ビシィーン バチィーン!
イーゼはひたすら鞭を振るう。
流石のオークロードも、これだけ攻撃を浴びればただでは済まない……体は。
「ぶ、ぶひぶひぃ! 最高だブヒぃ! 女王様! もっとぉ!!」
「いい加減くたばってもいいのよぉ! ほぉら、その汚いケツを突き出しなさぁい!」
四つん這いになって、攻撃を受ける続けるオークロード。
「ぶ、ぶひぃいいいい!」
しばらくの間、イーゼによる調教が続くと、ようやくオークロードは果てた。
「い、生きててよかったぶひぃぃぃ!」
最後にそのセリフを残して、オークロードは散っていった。
「ふぅ……やっと死んだわね。全くしぶとい豚だわ。でも、面白いわねこの武器。」
遂にイーゼ達、否、イーゼは最高クラスのモンスター達を力づくで撃退した。
どうやら、今ので最後らしい。
森からの増援は見えない。
「お疲れ様です、イーゼさん。格好良かったですよ。」
シロマは興奮しているのか、頬が紅潮している。
「ありがとう、シロマさん。あなたもやってみますか?」
「い、いいんですか!! はい! やりたいです!」
「うふふ、癖になっちゃうわよ。」
ゲロォォ(こ、こわい……)
イーゼの不気味な笑みを見て震えるゲロゲロ。
こうして、イーゼ達の戦場はイーゼに……もとい、女王様によって終結した。
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