第4話
こんな会話をした翌日。
俺は学校に行く途中でマヒロの家に顔を出した。
マヒロの部屋にて、イケメンに化ける為のメイクをマヒロ直々にしてくれることとなった。
「ちょ、動くんじゃないわよ!」
マヒロが、コンシーラーなどという女子にしか分からなそうな化粧道具を手に持ち、俺の顔をいじっていた。
「だ、だって、ちょっとむず痒くてだな」
「そ、それにしても、マヒロ、おまえ、お化粧とかできるんだな!?意外だよ...」
「何よ!私だって本気出せば、女子っぽいことできんのよ!」
「よし!今、あんたのトレードマークの左目の下の黒子を消したわよ。これで、もうほぼほぼ、ユーヤになったわね。そんでもって、鼻も高く見せて、と」
「完璧!どっからどーみてもユーヤだわ!」
俺は手鏡を渡された。
確かに。目の前にはイケメンがいた。
正確に言うと。西野ユーマではなくて
西野ユーヤがいたんだ。
「朝一、これでユーコに告白すること!
いいわね!私がユーコのこと呼びだしてあげるから!」
マヒロとユーコは同じクラス。
そして、なかなか仲がいい。
さて。
運命の時。
朝、ホームルームが始まる前に。
下駄箱のとこで、林ユーコに告白する。
言葉通り。
マヒロの奴が俺の想い人、林ユーコを
呼んでくれた。
「な、なに?西野くん」
「あ、あのさ。俺、入学した時から
林さんに一目惚れして、それでずっと好きで...」
「俺と付き合ってほしいな...」
このあと。
俺はてっきり、
うん、いいよ、の返事が聞けると思っていたのだが、違った。
「ごめんなさい」
「え」
「私ね、好きなひとがいるの」
ユーヤのやつが振られたんだ。
おおよそ。あまたの女子を振ることはあっても
振られることなど皆無だったユーヤが。
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