本当に欲しいもの

「落ちてくる桜の花びらを掴めたら、願いが叶うらしいよ」

 隣を歩く幼馴染に教えてあげると、彼は桜を見上げた。

「もうほとんど散ってるな」

「また来年挑戦する」

「そりゃご苦労なことで。……あ」

 彼はにやりと笑うと、人差し指をスッと伸ばした。

「発見」

 ちょっと。わたしの唇に願掛けするな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る