もし魔法が使えたら

 彼女の問いかけはいつでも唐突だった。

「もし魔法が使えたら、なにをしたい?」

 なんの脈絡もなく飛び出した魔法という単語に、僕は首をかしげる。

「わかんないや。そっちは?」

 彼女はいたずらっぽく笑った。

「繋ぎたい時に、きみが手を繋いでくれる魔法」

 そんなの、いくらだって叶えてあげるよ。

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