伸ばしても届かない

「彼女できたんだ」

 親友が嬉しそうに報告してきた。

「そっか。おめでと」

「そっちも早く彼女作れよ。いいぞー、彼女は。なにしてても可愛い」

「惚気うぜえ」

「ひっで」

 そう言いながらも、親友の顔は幸せそのものだった。

「俺はいいよ……彼女なんて」

 俺が手に入れたかったのは、一人だけだ。

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