叶うならば来年も
最近、祖父は寝ている時間が増えた。薬の副作用だろうと、祖母は言っていた。
今日も座椅子でこっくりこっくりしている祖父を見て、母がつぶやいた。
「老衰よ」
理由なんてなんでもいい。その目がまた明日も開いてくれるなら。
「おじいちゃん。明日は私の誕生日だよ」
だから、眠るなんて許さない。
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