消したい記憶

「同窓会あるんだけど、来ない?」

 自宅に突然かかってきた電話から、そんな提案を受ける。

「ごめん、仕事だから」

「夜にちょっとだけでも」

「次の日も仕事早いから。また次の機会に」

「わかった」

 そうして電話は切れた。最初に電話を取った母がたずねてくる。

「友だち?」

「ううん。全然知らない人」


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