門限

「そろそろ門限だね」

 不意に彼女がそう告げた。僕は「そうだね」と返しつつ、あと少し、もう少しだけと願ってしまう。

 彼女はそんな僕の気持ちを知ってか知らずか、屈託なく笑って言った。

「遅くなったら、親になんて言われるかな」

 思わず僕は、繋いでいる手に力をこめた。

「あとで一緒に叱られよっか」

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