Slip on fight

糸賀 太(いとが ふとし)

Slip on fight

 ラジオがレジ袋有料化を報せた。

「卒業するから」

 まだ高二だろう。

 振り返ると、エコバッグを掲げている。

「小銭くらい出してやるよ」

「違うから」

 そうかそうか。殊勝なことだ。

「万引やめるから」

 鞄は天地逆転。駄菓子の雪崩。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る