仕分け
ポルクは包んだパンを全て鞄に入れ
手伝いを始めた
手伝いを始めだして
大分時間がたった頃
奥からリルク出てきて
「手伝いありがとな、助かった」
「いえ、僕がしたのはパンを袋に入れるのとお客さんの話し相手位ですから」
「それでも、助かった、もう客は来ないと思うから帰っても良いぞ」
「はい、わかりました」
ポルクはエプロンを脱ぐと鞄に入れ
代わりに銅貨を一枚取り出し
「これ今日のパン代です」
リルクに差し出すと
「今日は手伝って貰ったからお代はいいよ」
「それは、僕が勝手にしたことですから」
「駄目だ、手伝いは手伝いだ」
「わかりました、ありがとうございます」
ポルクは銅貨を鞄へと入れ
「それじゃあ、またパンを買いに来ますね♪キャル、家に帰るよ」
ポルクはカウンターの端で寝ていたキャルを起こし
背中へと乗った
「おう、気をつけて帰れよ」
キャルは飛び立ち、ギルドへと向かった
ギルドへと着くと
キャルはカウンターの上へと降り
ポルクが降りると自分の巣へと戻って行った
「おかえりなさい、ポルクさん」
ナタリが微笑みながら話し掛けてきた
「ただいま、ナタリさん」
ポルクは鞄から銅貨を出し
「使わなかった分なので戻しといてもらっても良いですか?」
「わかりました、戻しときますね」
銅貨を受け取ったナタリは麻袋へと入れた
「あっそれとマルフィさんから渡すように言われたものがあるんです」
ポルクは香水をナタリの前に置いた
「これは?」
「香水です、ナタリさんに合う香りだそうです」
ナタリは香水をポケットへと入れ
「そうなの、ありがとう♪」
「僕は頼まれただけなので、お礼はマルフィさんに言って下さい」
「それもそうね、でも届けてくれてありがとう」
「はい、どういたしまして♪それじゃあ、家に帰りますね」
ポルクはカウンターに垂らされている紐を使い
下へと降り家へと戻った
「まずは、パンを入れとかないと」
ポルクは物置へと向かい
五センチ四方の箱の蓋を開け
パンを一つ、一つ丁寧に入れ始めた
因みにこの箱には時間停止と空間を拡げる魔法がかかっている
もちろん、ナタリ作である
パンを入れ終えたポルクは蓋を閉めて
自分の部屋へと向かった
ポルクはベッドに腰掛け
鞄から糸を取り出すと
一本の糸を解し始めた
ポルクが使うには太すぎるので
解して使っている
「これだけ、解さなくても使えるな」
ポルクは七色に輝いている髪の毛ほどの細い糸を手に取った
「綺麗な糸だな~、お母さんに送ろう」
この糸は実はミスチルを特殊な技術によって作り出された糸で
ポルクが持っている10cm位の長さでも金貨100枚はするほどだ
マルフィは勿論その事を知っているが
ポルクを驚かせないように黙っている
解し終えたポルクの前には
2つの糸の束の山が出来ていた
一つの束は部屋にある3cm四方の箱へと入れた
この箱には空間を拡げる魔法がかかっている
これもナタリ作である
ポルクは箱の中から大きめの袋を取り出し
元の場所へと戻り
袋の中に一本だけ残し、糸の束を入れたポルクは
鞄から布を取り出すと
そのまま袋へと入れ
口を閉じ、糸で縛った
「これでよし、もうそろそろスズさんの所へ行こうかな」
ポルクは家を後にした
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